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記事更新日:2017年03月25日

心理カウンセラーを目指しているけど、給料・年収ってどれくらいなの?と思いますよね。

心理カウンセラーの資格の中で、社会的に通用する資格に「臨床心理士」と「産業カウンセラー」があります。
今回はそれらの資格取得者の年収実態や雇用形態について紹介します。

仕事例や求人例から、収入の違いを紹介すると共に、心理カウンセラーがステップアップして収入増につなげるポイントもまとめています。
心理カウンセラーの給料・年収について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

1. 求人募集の際に「資格要件」とされる心理カウンセラー資格とは?

心理カウンセラーは医師や弁護士のような国家資格ではないので(※)、特別な資格がなくても「心理カウンセラー」と名乗ることは出来ます。しかし、学校や病院などの組織・団体で心理職として働く場合は資格が必要です。

心理カウンセラー関連の求人の際に資格要件とされるのは、ほとんどが臨床心理士と産業カウンセラーです。心理カウンセラーで生活するならば、臨床心理士資格が必要でしょう。

産業カウンセラーの求人は最低でも3年以上の実務経験が求められるようで、心理カウンセラーとして生活するためには資格取得後の研鑽が必要です。

(※)2015年に「公認心理師」法が可決され、2017年施行見込みです。文部科学省と厚生労働省による共管の国家資格です。公認心理師法案

2. 臨床心理士の給料・年収・収入

臨床心理士の年収はどの程度なのでしょう?日本臨床心理士会の2007年動向調査をもとに、全体の年収の実態を見てみましょう。

  • 200万円未満=12.5%
  • 200~300万円未満=17%
  • 300~400万円未満=20%
  • 400~500万円未満=14.1%
  • 500~600万円未満=8%
  • 600~700万円未満=5.6%
  • 700万円以上=16.2%

ボリュームゾーンとしては300~400万円未満ですが、200万円~500万円とバラつきがあります。回答者は女性が75%であり、また30代・40代が多く家庭と両立するために非常勤で働いている人も多いと考えられます。

46%は非常勤のみで働いており、常勤だけで働いているのは32%です。年収が500万円以上は、29.8%です。臨床心理士で生計を立てられるのは、3割程度なのでしょう。1000万円以上という人も5%ほどいます。

精神科医で臨床心理士とか、相談室を開業されている方などかと考えられます。どのような働き方をするかによって年収は大きく違うようです。

正規職員で心理職としての求人は非常に少なく、多くは複数の非常勤や嘱託をかけもちして生活しているのが現状のようです。次に個別の働き方から見てみましょう。

2-1. スクールカウンセラーの例など

臨床心理士では、スクールカウンセラーは時給も高く人気の職業です。長期・継続的に児童に関ることが多く、それだけに飽和状態の自治体もあるようです。全国1万校以上の公立学校に配置・派遣が進んでいます。

【勤務形態】
公立学校のスクールカウンセラーは、地方公務員法に規定される非常勤特別職です。各自治体が任用して、学校に派遣されます。

【派遣頻度時間】
ひとつの学校で、週に8~12時間(特に必要な場合は30時間まで)とされています。1回当り6~8時間、週に1回程度というケースが多いようです。年間では250~300時間程度でしょう。

【時給】
自治体にもよりますが、スクールカウンセラーの時給は3000~5000円程度です。首都圏などは5000円前後が多いようです。時給4000円とすると、1校ではおよそ100~120万円程度になります。

2校かけもちしている人もおり週に2日スクールカウンセラーをすると、200~240万円になります。仕事が時間外になっても残業代はありません。

2-2. 病院勤務の例

病院勤務の場合は、総合病院の精神科・精神病院・心療内科クリニック・また病院併設のデイケアなどがあります。病院の規模によって収入にはバラつきがあるようです。

病院での臨床心理士は、診察前の事前面接や心理検査、カウンセリング、心理療法、回復時の指導、家族へのケア、などが主な仕事になります。医師の指示によることが多いようで、報酬の水準は高くはないようです。

【常勤の場合の月給】
経験・仕事内容にもよりますが、月額20万円~25万円程度が多く、ほとんどが30万円未満のようです。職務が限定的なことが多く、大きな昇給は望み薄のようです。

【非常勤の場合の時給】
病院の心理専門職の求人は、時給1000円~1300円程度です。看護助手的なものだと時給1000円を切る求人もあります。デイケアなどでは、1000円前後からのようです。日給では1万円前後の所が多いようです。

2-3. 児童福祉施設勤務の例

児童相談所や養護施設などで正規職員として心理職に就くには、公務員試験に合格しなければなりませんが、産休などの欠員が出た時に期限つきの嘱託の求人もあります。月給で18万円~23万円程度のようです。

心理検査やカウンセリング、心理療法や指導、保護者対応、他の職員へのコンサルティングなどが主な仕事です。児童福祉施設の業務は非常に幅広く、勤務形態も収入もさまざまです。児童養護施設では、夜勤がある場合もあります。

2-4. 各種相談業務など

相談業務では、教育相談所等の教育機関のカウンセラーは時給としては良いようです。機関にもよりますが、時給1500~3000円が多いようです。1回の時間は4~5時間の所が多いようです。

自治体の乳幼児発達健診時の発達相談や、乳幼児巡回相談員、母子支援相談などの相談員などの求人もあります。自治体にもよりますが、1200~1500円程度が多いようです。

2-5. 地方公務員の例

公務員の心理職として正規職員になるためには、地方公務員採用試験に合格しなければなりません。自治体によって心理職の採用予定がない場合や、心理職の区分が違う所もあります。

公務員の初任給は低めですが各種手当てやボーナスもあり、年齢と共に年収が上がるので安定しています。公務員の場合の年収・昇給例を見てみましょう。

一般行政職は初任給月額17~18万円程度からですが、臨床心理士は大学院卒なので20万円前後からスタートする例が多いようです。

自治体の税収などによっても違うようです。平均年収で最も高いのは芦屋市で728万円、青森市や富岡市は604万円となっています。

初任給は月額給20万円程度(年収310万円程度)、経験年数や級が上がると昇給していきます。

30歳で配偶者ありで月額27万円程度、40歳で子供2人ありで38万円程度(年収600万円程度)、55歳の管理職で51万円(年収800万円程度)というイメージです。課長や部長になると700~800万円以上になるようです。

※臨床心理士の資格試験には受験資格があります。指定の大学院修了が必要です。

臨床心理士の資格取得の詳細については、公益財団日本臨床資格認定協会のサイトをご参照ください。

3. 産業カウンセラーの給料・年収・収入

日本産業カウンセラー協会の2009年実施の調査によると、産業カウンセラー資格取得者のうち「カウンセラー職」に就いている人は全体の15%ということです。

資格試験受験者の多くは公務員や医療関係などの在職者です。ここでは「カウンセラー職」に就いている人と回答した人の年収を見てみましょう。

  • 100万円未満=13.3%
  • 100~200万円未満=16.9%
  • 200~300万円未満=24%
  • 300~400万円未満=21.8%
  • 400~500万円未満=9.5%
  • 500~600万円未満=6.1%
  • 600万円以上=9.4%

ボリュームゾーンは200~300万円未満となっており、臨床心理士のボリュームゾーンより低くなっています。600万円以上の中で、1000万円以上との回答も1.4%あります。

3-1. 産業カウンセラーの雇用形態

年収は雇用形態によっても左右されます。産業カウンセラーとして働いている人の雇用形態を見てみましょう。

  • 契約社員・派遣社員=46.2%
  • 正社員(正職員)=21.9%
  • 非常勤=27.41%
  • 経営者=4.4%

契約や非常勤では、ハローワークなどの職業相談などが多いようです。正社員として働いている人は、企業の人事部やEAP(従業員支援プログラム)提供機関などがあるようです。

3-2. 産業カウンセラーの求人例など

産業カウンセラーの実際の求人例を見てみましょう。

①正規職員としての求人例

【民間企業の人事部勤務】
健康診断・ストレスチェック等の実施アレンジ、調整業務、研修などメンタルヘルスケアに関る業務全般。人事労務経験3年以上。EAP実施経験優遇。衛生管理者資格優遇。年収550万円~700万円(実務経験等による)

【EAP提供企業勤務】
年収300万円~600万円。契約先企業の社員の定期カウンセリング、休職・復職時のサポート、報告書作成、職場環境向上に向けた提案実施。人事労務関連業務。産業カウンセラーの実務経験、シニア産業カウンセラー、精神保健福祉士資格保持者。

②契約や嘱託としての求人例

【ハローワーク勤務(契約)】
就労支援、職業相談、ハローワーク業務。月額27万円。キャリアコンサルタントや産業カウンセラー資格保持者。人事労務管理の経験者。ボーナス無し。交通費支給(上限あり)

③非常勤としての求人例

【大学の就職課勤務】
学生の就活支援全般(セミナー、就職サポート、履歴書指導、相談対応など)。キャリアコンサルタント、産業カウンセラー資格保持者。人事採用の実務経験。時給1550円。ボーナス無し。交通費支給(上限あり)

【EAP提供企業勤務】
クライアント企業での社員のカウンセリング(面談・電話相談)など。カウンセリング経験者。認知行動療法経験優遇。臨床心理士・産業カウンセラー(シニア産業カウンセラー尚良い)、精神保健福祉士資格保持者。時給1500円。13~22時勤務/17~22時勤務

3-3. 産業カウンセラー資格取得方法

産業カウンセラー資格は、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定しています。協会主催の産業カウンセラー養成講座を修了すると、学歴に関らず受験資格が得られます。

詳しくは下記のサイトをご参照ください。一般社団法人日本産業カウンセラー協会

4. カウンセラー職の年収が大きく違うのはなぜ?収入アップのポイントは?

年収実態を見てもわかるように、心理カウンセラーの年収は非常にバラつきがあります。年収の違いの要因は幾つかあります。

雇用形態や職種による違い、実務経験や求めるスキルの違い、企業規模や地域の違いなどが要因となっているようです。

4-1. 雇用形態による違い

男性と女性の働き方が違うという面は大きいでしょう。配偶者がいて共働きをしている女性は、非常勤などの勤務形態を選択しているようです。そのために年収としては多くはないといえるでしょう。

【非常勤】
職種によって大きく違います。スクールカウンセラーや専門性の高いカウンセラーは時給が高く、非常勤のかけもちでも300~500万円位の年収を得ている人も多いようです。

福祉や医療関係の求人では、専門以外の雑用や事務なども含まれることがあり、一般のパート時給と同レベルのものもあります。学校関係の非常勤では、長期休みは勤務がなく収入が減ります。

【契約や嘱託】
正社員より水準は低いです。正社員のおよそ7掛け程度でしょう。各種社会保険の加入は可能な所が多いようですが、期間にもよるでしょう。

【常勤・正社員】
企業規模によっても違いがあります。特に医療機関や福祉関係は経営母体による給与水準の差が大きいようです。

【地域の差】
地域による差もあります。公務員の俸給水準も首都圏近郊が高く、北海道や沖縄、東北などは低い傾向にあります。スクールカウンセラーなど非常勤の時給も大体似た傾向となっています。

【その他の条件】
正規職員の場合ボーナスありが大半です。嘱託や非常勤はボーナスはありません。常勤契約などは期間によって多少出る所もあるようですが、契約内容によるでしょう。交通費(通勤手当)はほとんど上限ありですが出るようです。

4-2. 経験や資格による違い

資格はもともと求人要件としてあるので、資格に加えて実務経験が収入の違いの要因として大きいでしょう。非常勤の相談援助業務は専門職としての求人が多く、カウンセリング経験や活動分野の知識・経験が重視されます。

特に、産業カウンセラーとして働く場合は、人事労務などの経験者が優遇されるようです。産業カウンセラーとして活動している人の半数は、キャリアコンサルタントかシニア産業カウンセラーの資格を持っています。

・教育分野、産業分野、福祉分野、医療分野それぞれに求められる経験スキルの重点が違います。非常勤では分野の専門性の高さが求められます。正社員の求人は当然業務の範囲も広く、専門知識に加えて企業経験やPCスキルなどビジネススキルも求められます。

・専門に関する資格ではないですが、運転免許が要件となっている求人もあります。巡回相談員や福祉事業に関する求人では必要な所が多いようです。

4-3. 収入アップのポイント

①臨床心理士
カウンセリング技術は勿論ですが心理検査や分析評価、心理療法など専門性が求められます。医療機関でそれらの専門技術や知識を深めて、さまざまな事例を経験するのは有効でしょう。

臨床心理士の活動領域では、教育機関は比較的時給が高く好条件が多いようです。教育関係では発達障害などの相談が増えており、経験や専門知識を磨くとステップアップに有利でしょう。

②産業カウンセラー
求人の際の資格要件では、臨床心理士や精神保健福祉士など他資格との競合も多いようです。メンタルヘルス関連か、キャリア開発関連かによって多少重点が違いますが、メンタルヘルス関係は、より競合が多いようです。

キャリア開発に重点を置くのであれば「キャリアコンサルタント」資格を取得するのも収入アップのポイントとなるでしょう。メンタルヘルス関連では相談業務経験が求められます。どちらにしても人事関係の実務経験は歓迎されます。

[産業カウンセラー求人の要件]
産業カウンセラー資格+人事労務の実務経験/資格+3年以上のカウンセリング経験/資格+衛生管理者などの資格/資格+キャリアコンサルタントやシニア産業カウンセラーの資格/などです。

4-4. 独立開業する場合の3つのポイント

全体の割合としては少数ですが、独立開業して活躍するカウンセラーもいます。独立開業する場合のポイントを紹介しましょう。

①得意分野・専門分野を持つことです。
そのためには、その分野の職種で働いて実績を積むことが必要です。例えば産業カウンセラーならば、人事部や人材派遣会社に勤めて実務経験や人脈を蓄積しましょう。

教育関係を得意とするのか、メンタルヘルス関係を得意とするか、結婚や恋愛・夫婦関係に関することを得意とするのか、核になるものがあると良いでしょう。

②経営知識・マーケティング知識が必要です。
心理学で求められる知識・スキルとは全く方向性の違うものです。カウンセリングや援助業務は個別事情に合わせた対応が必要です。

ところが効率的な経営となると、システム化が必要です。一定の標準化やマニュアル化が必要になりますが、カウンセリングや援助では標準化が難しい内容も多いでしょう。さらに集客や営業力が求められます。

③集客と宣伝と自己投資に経費を重点配分するのが望ましいといえます。余計な経費はかけないことです。オフィスを借りるとそれだけで家賃・光熱費がかかりますし、常駐する人手が要ります。

最初は出張相談や公共施設の会議室などを利用するので充分でしょう。広告費や宣伝のための無料セミナーなどは積極的に掛けても良い経費でしょう。

まとめ

心理カウンセラーの例として「臨床心理士」と「産業カウンセラー」の資格取得者の年収実態や雇用形態や求人例を紹介しました。年収は働き方によりいろいろです。

心理職として正規雇用の求人は少ないので、一家の大黒柱として生計を担うのであれば心理カウンセラーはなかなか大変かもしれません。

実態としては「臨床心理士」も「産業カウンセラー」も資格取得者は女性が多く、必ずしも生計を担う立場ではないと考えられます。そのために一般の会社員等と比較すると、年収がやや低くなっているようです。

臨床心理士資格を要件とする非常勤は専門職として時給が高いものが多いので、嘱託や非常勤を複数組み合わせて年収500~700万円稼いで生活している男性もいます。

収入アップするためには、専門性を磨き実務経験を積むことが何より大切でしょう。

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記事更新日:2017年03月25日

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