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記事更新日:2018年03月24日

保育士の皆さん、病棟保育士をご存じですか?
病棟保育士は医療保育士や病院保育士とも呼ばれたりします。

「保育士」と言っても、その職場は保育園だけとは限りません。病棟保育士はその名前から想像できますように、病院内で勤務している保育士のことを言います。

今後需要が増えるといわれている病棟保育士。この記事では元病棟保育士の私が、あまり知られていない病棟保育士の仕事内容や職業事情、転職・求人について解説します!
病棟保育士に興味のある保育士の方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.医療保育士(病院保育士)とは?

病棟保育士とは小児病棟や病児保育室などの病院内で勤務して入院中の子どものお世話をする保育士のことを言います。病気を患った子どもへ通常の保育(食事の世話や指導、運動や遊びなど)を通して、不安の多い療養中の子どもたちの心と身体のケアを行います。

看護師のように医療行為を行なうわけではありませんが、その子どもの症状に合わせて医師や看護師と連携しながら子どもたちの身の回りのお世話をしていきます。

1-1.保育園に勤める保育士とどう違う?

一般的な保育士が行う病児保育は、熱や感染症などで保育園へ預けることができない子どもたちの保育を一時的に請け負い、働く保護者の替わりに保育をしています。

一方、医療保育士は病気やケガなどで長期間入院している子どもたちを保育しており、看護師の補助的業務を行うことがあります。常に子どもたちの体調や健康に配慮し、一人ひとりに臨機応変に対応することが求められます。生活により近い存在として、楽しい時間を過ごすために、集団保育や個別保育を行っています。

では、働き方などに違いはあるのでしょうか?下に働き方、待遇などについてお話しますので参考になさってください。勤める勤務形態や場所などでも多少異なると思いますので、実際に働かれる際には応募要項などをしっかりと確認しましょう。

  • 働き方 : 医療保育士の勤務時間は、だいたい8時~17時、休憩1時間の8時間勤務で平日勤務の固定のところが多いようです。でも、残業は多少必要なところもあるようで1日30分くらいの残業は見ておいた方が良さそうです。
  • 待遇 : 医療保育士の給料の相場は、月収16万円から20万円程度です。一般的な保育園とあまり変わりません。ボーナス
  • 誰と連携する? : 医療保育士は、医師・看護師との連携で成り立っているものですので、医療行為をスムーズに行うことができるように支えるためにもコミュニケーションを取っていかなければなりません。
    病棟内の規模にもよりますが、2~3人の保育士が勤務する感じです。複数人と言っても一般的な保育園よりも少ない人数で保育するので、そんなに頻繁に採用がある訳ではないようです。

2.医療保育士の仕事内容

医療保育士の仕事内容は、保育や生活支援、保護者やその家族への支援など多岐にわたります。では実際にどのような仕事内容となるのか、それぞれの分野ごとに詳しくお話していきます。

2-1.保育(遊びの提供)

毎日の保育を通じて、療養中の子どもたちのストレスや不安を発散させ、安心して毎日が過ごせるような環境を整えます。安心して入院生活を過ごせることで、スムーズに医療行為が出来るようにもなりますので、保育士として大切な仕事になります。

具体的には、子どもの発達段階・病状に合わせた遊びを提供します。病状によって、軽い運動遊びから製作活動、歌、絵本の読み聞かせなど、その子どもに合わせた活動内容となります。これは保育園での仕事内容とあまり変わりませんね。

2-2.育児相談・家族支援

子どもたちの体調や、どんな遊びをしたのかなど子どもの様子を保護者へ伝えたり、入院生活の不安や心配などの相談、子育ての悩みについて相談にのったりします。

日々の子どもの様子を伝えていく中で信頼関係を築き、入院生活中に感じる子育てなどの不安を受けとめたり、相談にのったりして保護者に対しても心のケアに努めていきます。

2-3.子どものケア・環境整備

子どもの担当医師や看護師と連携して子どもの健康状態を把握し、保育中の様子なども情報共有していくことにより、身心ともに健やかな状態に向かっていくようにサポートしていきます。病状の重い子どもや付き添いのない子どもの介助を、看護師と連携しながら行っていくという仕事になります。

具体的には、食事や排泄・睡眠などの日常生活の支援をします。また、体だけではなく、心のケアも必要です。また、消毒などの感染症の予防対策も行います。子どもにとって、入院生活というのはとても大きなストレスとなり、不安はさらに大きいものとなります。

安心して病院での入院生活を過ごせるように心のケアをしたり、心のケアができるような環境を整えたりしていきます。保育をするにあたって、子どもの成長を見守る事が大切になっていきます。

ですが、医療保育士が保育する子どもは療養中の子どもたち。この子どもたちは、病状によって発達が異なるため、子ども一人一人に対して細やかな発達支援が必要となります。

病気を抱えての発達支援は、身体に負担にならないように配慮しないといけないため通常の保育よりも難しいものになります。

また、保育園では保育士のみの連携なので、必要なのは保育の知識です。ですが、医療保育士は他の職種との連携が必要となっていますので、病気や症状についての医療面の知識も必要となってくるのが特徴と言えます。

2-4.医師や看護師との連携

カルテやカンファレンスなどから、子どもや家族の様子を把握する、また逆に担当医師や看護師などに保育中の様子を伝えるなど、職種間での情報共有が欠かせません。行事なども医師や看護師も巻き込んで行う場合もあります。

直接の医療行為には関わらないものの、病状に応じたプログラムを考えたり、カルテから情報を得たりするためには医療や看護の知識が必要です。また、いろいろな立場の方と密に接するお仕事になりますので、コミュニケーションスキルは不可欠となってきます。

3.病棟保育士になるには?

では、病棟保育士、病院保育士はどのようにして就職・転職できるのでしょうか。どこで病棟保育士の求人を探せばいいのでしょうか。
実際にはどのような資格が必要なのか、また求人の探し方などについてお話していきます。

医療保育士は、過去に看護師の経験があるという人も多いです。医療保育士として働くには、保育園で勤務する場合の内容に加え、医療知識や心理学の勉強もしていく必要があります。

3-1.病棟保育士に必要な資格は?

結論から言えば、まず医療保育士として働くための絶対条件として、国家資格である保育士資格が必要となります。
保育士資格に加え、心理学やカウンセリング、医療に関する知識なども必要となってきます。保育士資格以外は、絶対になければいけないものではありません。

しかし、実際に働くうえで必要な場合もありますので、豊富な知識を身に付けておいた方が戸惑いなく勤めていくことができます。

また、下の5つの資格は医療保育士として働くうえで有効な資格となっています。取得するために実務経験が必要な資格もありますので、医療保育士として就職した後にステップアップするために取得するというのも良いかもしれません。

  1. 医療保育士
  2. 医療保育専門士
  3. 保健児童ソーシャルワーカー
  4. JESC認定カウンセラー
  5. レクリエーション・インストラクター

3-2.どのように求人を探す?

現在、医療保育士になりたいというニーズは増えてきていますが、求人は少ない状況です。
保育士に特化した転職支援会社にいくつか登録をして、紹介を待つスタンスが必要かもしれません。保育士に特化した転職支援会社では、ハローワークなどに掲載されない非公開も多く保有していて、施設へのパイプも強いです。

保育士に特化した転職支援会社でおすすめなのは、業界大手の以下の3つです。

保育士バンク
マイナビ保育士(関東)
保育エイド

また保育園の求人を探すように、ハローワークや保育士専門の求人サイトなどで求人をチェックするか、小児病棟のある病院に直接問い合わせてみるかをして求人先を探すのも有効です。

採用されやすくなるよう、保育園などで経験をしっかりと積みながら求人を探しましょう。(病院側は、保育園などでの実務経験者を募集しているところが多いのです。)

3-3.職場の選び方は?

ハローワークや求人サイトなどで自分の希望する条件の職場を探していても、実際に働いてみて自分の思ったような職場でなかった…そんな思いをする方もおられるかもしれません。

そういった自分の希望と就職先とのミスマッチを避けるために、求人内容をしっかりと自分の目で確認することをおすすめします。求人の内容はもちろん、どのような保育方針や保育内容なのか、またその職場にどのような保育士が勤務しているのかなどを事前に確認してから応募しましょう。

4.病棟保育士のメリット・デメリットとは?

今後需要の高まるであろう医療保育士ですが、働くメリットやデメリットは何でしょうか?それぞれについてご紹介していきます。

4-1.病棟保育士のメリット

病棟保育士は、保育する子どもは療養が中心のため、大きな行事がなかったり、体力を使う運動遊びが少なかったりと比較的体力面、精神面の負担が軽いメリットがあります。

では、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?続いては医療保育士のメリットについてご紹介します。

4-1-1. 行事が少ない

保育園は大きな行事が定期的にやってきて保育士の仕事を増やしていますが、病院内での保育になりますので大きな行事は年に2回くらい。おおよそ毎月の誕生会はあるところが多いですが、その他の運動会・発表会のような大きな行事はありません。(あるとすればクリスマス会くらいでしょうか。)

行事が少ないので、残業も少なく、また精神的なプレッシャーなども少なくなります。

4-1-2. 勤務日・勤務時間が固定されている

病院内の勤務になりますが、基本的に入院中の子どもが起きている時に保育する形となりますので、平日・日中のみの勤務となります。(病院の開設日と同じだと考えてもらえれば大丈夫です。)

ですので、保育園と違って土日祝日や夜遅くまでの勤務はなく、子育て中のママにも優しい勤務先となるように思います。

4-1-3. 一般的な保育士より給料が高い

病棟保育士の給料は、各医療機関での違いはありますが、大体の相場は月給20万円~28万円(正規スタッフの場合)程度で、年2回のボーナスがあります。

年収ベースで考えますと概ね300万円~450万円程度が相場だと言えそうです。

医療保育士の給料は、医療法人から支払われているため、一般的な保育園より給料が高く、福利厚生も比較的充実しているところが多いようです。一般的な保育士よりも給料が高いですが、必要になる知識が多いので妥当な給料と言えるかもしれません。

4-2.医療保育士のデメリット

メリットも多い医療保育士ですが、大変な部分ももちろんあります。具体的には下記にあげた点は覚悟しておきましょう。

4-2-1. 感染症などには十分注意をする必要がある

病院内に勤務するため、一般的な保育士よりも感染症をもらいやすい環境に勤めていることになります。

ですので、必然的に感染症をもらうリスクは高まりますが、感染症にかかるかどうかは自分の健康管理次第になります。栄養ある食事や疲れを溜めないように質の良い睡眠を取っていれば感染症にかかる心配もそんなにないはずです。

4-2-2. 医師や看護師など他職種のスタッフとのコミュニケーションが必要

保育士には、なかなか患者さんの情報が入ってこないこと、例えカルテを見たとしても医療用語で何のことが書いてあるのかが分からないこともあったりして、患者さんとどう関わったら良いのか分からない場合があるのも事実です。

4-2-3. 保護者への対応の難しさ

保育園の場合、その日の子どもの様子を連絡帳や口頭でお話しますが、病棟では基本的に保護者が付き添っておられるので保護者の方がよく子どものことを知っておられるのが事実です。子育ての相談について聞かれることがあるので、それは保育士専門の知識で答えてあげましょう。

ただ、医療保育士として何より大変なのは終末期、急変児の保護者の方、その家族を支えることが一番大変です。どう声をかけて良いのか分からず、ただただ背中をさすってあげたり寄り添ってあげたりすることしかできない…戸惑うことも多いのが医療保育士の日常となります。

5.病棟保育士になるために学んでおくと良いこととは?

3-1で資格についてお話しましたが、実際に医療保育士として勤めている先輩にこれから医療保育士を目指す方に向けて、学んでおくと良いことについて聞いてみました。

5-1.小児の病気に関する知識

保育園での病児保育と違い、保育園では聞いたことのないような病気にかかって入院中の子どももたくさんいます。基本的には保護者の方が付き添われ、近くに看護師もおられますが、保育中は保育士がメインとなって支えます。病気や病状によって、保育内容が出来る・出来ないに差が出てくるので病気への知識は不可欠です。

また、病名・病状が分からないがためにどのようなケアをしていけば良いのか、また病気によってあまり泣かせてはいけない場合や抱っこをして落ち着かせてあげたいけれどどの程度なら抱っこをしても良いのかなど、病状によってやってはいけない行為もあるためです。

保育士の分野とは違うのでは?と不安に思われる方もおられるかもしれませんが、子どもたちの治療に関する情報が理解できたり、心理学の視点から子どもの心のケアができたりするだけで仕事の幅が広がり、スキルアップにも繋がるのでより楽しく保育できるはずです。

まとめ

病棟保育士の需要は高まりつつありますが、まだまだ医療機関で医療保育士を配置するケースは多くはありません。そのため、一つの医療機関に対して配置される医療保育士の数が少ないため求人も多くないというのが現状となっています。

保育士に特化した転職支援会社をはじめ、ハローワークや保育士専門サイトなどの求人情報をチェックしたり、小児科病棟のある病院に直接問い合わせたりするなど、自ら行動を起こすことが求人先と出逢える道となります。

保育士としてのキャリアを積みながら、その時のために医療や心理学・カウンセリングなどの知識を学んでおく積極的な姿勢が大切です。

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