本ページはアフィリエイト広告を利用しています。

このエントリーをはてなブックマークに追加

記事更新日:2019年03月09日

最近はストレス対策や心の問題への関心が高まっています。
あなたも「心理カウンセラーに興味がある」「心理カウンセラーになりたい」と思っていませんか?

心理カウンセラーは誰でも名乗ることができますが、心理カウンセラーとして行政機関や病院等で働きたければ資格が必要です。

ですが、心理カウンセラーの資格はとても多く、なんと100種類以上もあります・・!
その中でも社会一般に通用する資格は限られます。

それでは心理カウンセラーになるには、どの資格を取得すればいいのでしょうか?
そして、心理カウンセラーとして働く場所や収入はどうなのでしょう?

この記事では、心理カウンセラーになるにはどうすれば良いのか?をテーマに、資格、仕事、収入の実情についてご紹介していきます。

1.心理カウンセラーになりたい人が、知っておきたいこと

心理カウンセラーは「心理学の専門知識を用いて、心の問題を抱える人を援助する専門家」です。

心理学にもさまざまな理論や技法があります。心理カウンセリングも広い意味では心理療法と言えますが、カウンセリングは広範囲な相談者を対象とするのに対して、各種の心理療法は対象が限定的です。
年齢や状態によってコミュニケーションが難しい場合は、相談者の状態に応じて適切な心理療法等を用いて援助します。

1-1.心理カウンセラーになるには、資格が必要か?

心理カウンセラーになるには資格が必要だと思っている方も多いかもしれませんが、心理カウンセラーになるには必ずしも資格は必要ではありません。
誰でも「心理カウンセラーです」と名乗ることはできます。

現在は、心理カウンセラーには医師や会計士のような国家資格はありません(注1)。

不登校や引きこもりのボランティア活動を長くやっていた人が、経験と人脈を生かして相談室を開設している例もあります。
個人で独自に心理カウンセラーとして活動するには特定の資格は必要ではありません。

しかし、心理専門職として行政機関や病院等で働きたければ資格が必要です。
心理カウンセラー関連の資格の中で社会的に通用する資格は、臨床心理士、産業カウンセラーなどです。そして福祉系では、相談業務も行うという点で近い「精神保健福祉士」は国家資格であり社会的に通用します。
独立開業ではなく、心理カウンセラーとして生計を立てようとするのであれば、臨床心理士資格を目指すのがよいでしょう。

1-2.心理カウンセラーとはどんな仕事?

心理カウンセラーの仕事としては相談業務が中心になるでしょう。
相談業務の他に、心理検査や事前面接調査などもあります。
児童相談所や福祉関係では、ソーシャルワーカー的な業務もあります。産業精神保健の分野では、職場の環境づくりや就業復帰支援や研修などの業務もあります。

職場や雇用形態によって仕事内容はさまざまです。ここでは、中心となる相談業務(心理カウンセリング)について紹介します。

(1)心理カウンセリングの概要

心理カウンセリングでは、通常はカウンセラーと相談者が1対1で行います。ケースによっては、グループで行う場合もありますが、1対1で行うカウンセリングについて簡単に紹介します。

最初は相談者の情況や主訴を聴き、カウンセリングの援助目標や進め方などを話し合います。次からがカウンセリングで、カウンセラーは徹底して相談者の話を聴きます。
カウンセラーは自分の言葉や態度が相談者にどのような効果や影響をもたらすかを予測しながら、コミュニケーションを図ります。

心理カウンセラーは原則として、アドバイスや意見は言いません。答えを出すのは相談者自身です。
カウンセラーは相手を理解し共感し、話を整理要約したり、質問や確認を重ねることによって、相談者自身が「こうすれば良いのだ」という気付きを促し気持ちの変容を導きます。
意見を言わずに気持ちの変容を導くのですから、時間もかかり大変難しいことです。それがカウンセリング技術です。カウンセリング技術は経験によって磨かれる部分が多く、心理カウンセラーは相談実務経験が重視されます。

(2)精神科医と心理カウンセラー

心理カウンセラーも精神科医も心の問題を扱う専門家です。
精神科医は治療が目的ですから、診断して必要があれば投薬などの医療行為をします。カウンセリング的な方法は必須ではありません。心理カウンセラーは、医療行為はできません。しかし精神科医とカウンセラーが連携するのが大事だとする考え方が増えています。

心理カウンセラーは、状況によって精神科医や他の機関での対応が必要と判断したら病院などを紹介する義務があります。

2.心理カウンセラー 資格の種類

心理カウンセラーの資格は種類も多く、認定団体の数だけで100団体以上あります。
1ヶ所の団体が複数種類を認定するところもあり、当然100以上にはなるでしょう。新たな資格を追加する団体もあり正確な数はわかりません。
心理カウンセラー資格のほとんどは、認定機構や学会、その他の団体が認定する民間資格です。

大きく分類すると、以下の3種類に分けられます。

①大学や大学院など、公的な教育機関を修了することが必要な資格

臨床心理士、臨床発達心理士、学校心理士、認定心理士などです。
公認心理師もここに含まれます。学校教育法により認可された学校の学部や専攻課程を修了することが条件です。各々の資格の領域に基いて、細かく指定学科や科目が定められています。指定の学科や単位を修得することによって必要とされる学力や専門知識を持つことの証とし、質を担保することを目的としています。3分類の中では信頼度が最も高い分類と言えます。

②学会が認定する資格

日本カウンセリング学会認定カウンセラー、家族相談士・家族心理士、日本交流分析学会認定交流分析士、メンタルケア心理士(R)などです。
各種心理学理論に基く学会が認定する心理療法資格もここに含まれますが、詳細は省きます。
ここでは、日本学術会議学術協力団体として登録されている学会によるものを「学会認定資格」としています。学会認定資格は、各学術団体の研究分野においての知識・技能について、学会の基準を満たすと認定されます。
各学会の方針・研究分野によるので、必ずしも社会一般に通用するものではありませんが、①に次いで信頼度が高いと言えます。

③その他の、協会や民間団体が認定する資格

産業カウンセラー、教育カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタル心理カウンセラー、引きこもり支援相談士などです。
その他民間団体が認定する資格は非常に数が多いので、詳細は省きます。産業カウンセラーは社会的認知度が比較的高いですが、その他の資格については社会的認知度は高くはないようです。
学歴条件等はなく、手頃に誰でも取得できるものが多いので、自分のスキルアップのために取得する人が多いようです。

資格名と職業名を間違えやすいもの

・スクールカウンセラーは職業名で、資格名ではありません。臨床心理士資格または学校心理士の資格が必要です。(学校心理士の場合は准スクールカウンセラー)

・心理相談員も職業名です。

・心理判定員・児童心理司は任用資格です。公務員採用試験に合格して、心理職として任用されると名乗れる資格です。

3.心理カウンセラーになるには?主な資格の取得方法・費用

この章では主な心理カウンセラーになるために役立つ資格の取得方法や費用などを具体的に紹介していきます。
今回紹介するのは心理職や相談業務としての求人の条件になる、臨床心理士・産業カウンセラーと、福祉分野の精神保健福祉士の3つの資格です。

3-1.臨床心理士資格

臨床心理士資格は、心理専門職の証となる資格です。心理カウンセラー資格の中では、最も信頼度の高い資格です。心理専門職の求人の場合は、臨床心理士資格が条件とされることが多いです。臨床心理士には受験資格が必要です。

認定機関は公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会で、文部科学大臣から認証を受けている認定機関です。

■臨床心理士の試験日程

資格の試験日程はおよそ以下のようになっています。

■臨床心理士の受験資格

臨床心理士資格審査を受験するには、下記のいずれかの条件を満たしていることが必要です。

(※)心理臨床経験とは、教育相談機関、医療施設、心理相談機関等で心理臨床に関する従業者としての勤務相談業務経験を基準としています。有給が原則なので、ボランティア等は認められません。

■臨床心理士の資格審査

・一次試験(マークシート選択方式試験と論文記述試験)と二次試験(口述面接試験)があります。一次合格者が二次試験に進みます。資格審査試験に合格した後に、資格登録すると資格認定されます。臨床心理士有資格者は関係機関に公示されます。

・臨床心理士の合格者数はおよそ1600人前後で、合格率は60%前後となっています。

・資格は5年毎の更新が必要であり、5年間に協会主催の研修会や諸活動への参加など一定の研修が必要となります。

■臨床心理士資格の取得費用

・資格審査にかかる費用(81,500円)=申請書類(1500円)+資格審査料(3万円)+登録料(5万円)

・大学と大学院の学費がかかります。

・更新費用が2万円です。更新研修費用(内容により異なる)が別途かかります。

■臨床心理士試験の受験対策の第一歩

臨床心理士資格認定協会から「臨床心理士資格試験問題集」が出版されています。また総合ガイドブックとして「新・臨床心理士になるために」が出版されています。いずれもアマゾンで購入できます。

まず過去問題は必須の受験対策でしょう。またどのような出題がされるかを事前に知ることで、効率よく勉強できるでしょう。自分の苦手な分野を把握し早期に対策することができます。

大学院で公表されている合格率を見ると、大体75%以上ですので(公表分だけですが)、大学院でしっかりと勉強することが重要でしょう。合格率の良い大学院を選ぶことも大切なようです。因みに、放送大学大学院が公表している平成25年~27年の合格率は、82.1%、72.4%、75%となっています。

3-2.産業カウンセラー

産業カウンセラーとは、働く人が抱える問題について、心理的手法を用いて問題解決を援助する人です。
産業カウンセラーには、産業カウンセラーとシニア産業カウンセラーの2種類があります。ここでは産業カウンセラー資格について紹介します。

認定機関は、一般社団法人産業カウンセラー協会です。

■産業カウンセラー資格の試験日程

試験日程はおよそ以下のようになっています。

■産業カウンセラーの受験資格

産業カウンセラー協会が実施する養成講座を修了していること。養成講座受講には学歴などの条件はなく、誰でも受講できます。養成講座修了者は、修了年度に関係なく受験できます。

・4年制大学または大学院研究科において、心理学または心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学のいずれかの名称を冠する学部または専攻課程を卒業していること。また指定科目群のうち10科目以上・20単位以上を取得していること。学士・修士での受験には、単位取得証明書の書類や受験資格判定申請書が必要です。
(注)学士による受験資格は2017年より廃止されますが、経過措置があります。

・産業カウンセラー資格取得者の約85%は養成講座修了者です。

■産業カウンセラーの試験方式

・産業カウンセラーの試験は、学科試験(マークシート方式)と実技試験があります。養成講座のカウンセリング実技実習において、一定以上の評価を得ると実技試験が免除される場合もあります。また学科または実技のいずれかに合格した者は、翌年度および翌々年度の同一級の試験が免除されます。

・産業カウンセラー資格試験の合格者(2015年実績)は、学科試験合格者が3359名で、合格率は・76.7%です。実技試験合格者が1229名で合格率は70.5%です。

■産業カウンセラー資格取得の費用

・受験料=学科試験(10,800円)+実技試験(21,600円)で、合格すると資格登録料(7000円)と年会費(7000円)が必要です。

・資格は5年毎の更新が必要(更新料3000円+年会費10,000円)で、別途研修費用(内容により異なる)がかかります。

・養成講座の費用
通学制=226,800円/通信制=205,200円(教材費込)
養成講座を受講して新規に資格取得する場合は、約25万円~30万円程度の費用がかかります。

■産業カウンセラー養成講座

通学制(昼間コース/夜間コース)と通信制があります。通信制でも、通学制と同様に104時間(約16日)の面接実習(カウンセリング演習とレポート提出)があります。

■産業カウンセラー試験の受験対策

日本産業カウンセラー協会から「産業カウンセラー試験問題集」が出版されています。
産業カウンセラー試験の受験対策としては、養成講座を受講してしっかり勉強するのが近道でしょう。筆記試験よりも実技試験の合格率が劣ります。実技試験はカウンセリング実技です。
養成講座では104時間の実技演習がありますが、養成講座を受講しない方は実技試験対策がポイントと言えるでしょう。

3-3.精神保健福祉士資格

精神保健福祉士は精神福祉法に基く福祉関係の国家資格です。
精神保健の向上および精神障害者の福祉の増進に寄与することを目的としています。

認定機関は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターです。厚生労働大臣の指定を受けた試験・指定登録機関です。

精神保健福祉士の試験日程

試験日程はおよそ以下のようになっています。

■精神保健福祉士資格の受験資格

精神保健福祉士の受験資格ルートは11通りあります。

※卒業には卒業見込みを含めます。

■精神保健福祉士資格の試験方式など

試験は多肢選択式の筆記試験です。身体に障害のある人については、試験方法や時間の延長など必要な配慮を行います。

精神保健福祉士の合格者は毎年約4000人程度で、合格率は60%程度です。

■精神保健福祉士の資格取得費用

・受験料=精神保健福祉士のみ受験(16,400円)、精神保健福祉士と社会福祉士同時受験(20,020円)、共通科目免除による受験(13,120円)

・登録費用(19,050円)=登録免許税(15,000円:収入印紙)+登録手数料(4,050円)

この他に、大学や短大の学費および必要に応じて養成施設費用がかかります。

■精神保健福祉士養成施設

・短期養成施設は、通信コースがほとんどで期間は9ヶ月程度です。
日本社会事業大学通信教育科の精神保健福祉士養成課程<短期>の場合=学費は、22万円+実習該当者は18万円~25万円となっています。実習を含めると約40万円前後となります。

■精神保健福祉試験の受験対策

「精神保健福祉子国家試験過去問題集」が出版されています。
試験はマークシートによる5肢選択方式ですが、出題範囲が広く問題数も多いです(163問275分)。正確な知識とスピードが要求されます。過去問題集をしっかり勉強して、制限時間内に回答できるように練習しておくことも大切でしょう。
範囲が広いので、普段の勉強を確実にすることが重要といえます。

3-4.その他の資格

■学会が認定する資格(日本学術会議に所属している学会)

学会認定資格として、代表的なものは、日本カウンセリング学会認定カウンセラー、家族相談士・家族心理士、日本交流分析学会認定交流分析士、メンタルケア心理士(R)などでしょう。

学会認定資格は、研究研鑽の証という意味合いが強いので社会的に通用するものではないようです。学会会員であること、学会での研修や講座に参加していること、研究論文や実務経験などが資格認定の要件となっています。専門性が高く、大学や大学院レベルの知識と研究・実績が前提となっているものが多いです。
学会認定資格の中で、メンタルケア心(R)理士は学会指定教育機関の講座を受講すると誰でも受験資格が得られます。3~4ヶ月の通信講座で在宅受験でき費用も5万円ほどですが、カウンセリング技術をどのように習得するかが課題でしょう。

■その他の民間団体が認定する心理カウンセラー資格

民間団体が独自に発行する資格は非常に多くの種類があります。学歴条件など必要なく、誰でも受けられる通信教育や資格講座がほとんどです。
費用も数万円のものから数十万円かかるものまでさまざまです。これらの資格が即就職や仕事につながるものではありません。しかし心理学を学ぶことは、家庭や職場において役立つことも多いでしょう。

3-5.新たに誕生する国家資格「公認心理師」資格について

2017年より施行予定の「公認心理師」は、公認心理師法に基く心理職国家資格で名称独占資格です。よって施行後は「心理師」という名称は有資格者以外は使用できません。文部科学省と厚生労働省による共管の国家資格です。2018年に1回目の公認心理師試験が実施される見込みです。

f

国家資格試験の実施登録機関は、一般財団法人日本心理研修センターが指定されました。
カリキュラムや経過措置などの詳細は、厚生労働省・文部科学省の有識者会議で検討される予定です。

公認心理師と臨床心理士

公認心理師資格は、学歴条件が臨床心理士より緩和されており、質の低下につながるのではないかという意見もあるようです。臨床心理士と公認心理師は共存して行くと考えられています。

医師と心理職の関係について、懸念が持たれており継続して審議がされています。

3.心理カウンセラーの働き方。求人・就職先や雇用形態、収入について

心理カウンセラーとして活動する場合に、独立開業する以外はどこかの組織に属して働くことになります。心理職や相談業務の求人採用で資格要件として多いのは、臨床心理士・産業カウンセラー・精神保健福祉士などです。それぞれの就職や雇用形態・収入の実態を紹介します。

3-1.臨床心理士

臨床心理士にはさまざまな活動の場があります。雇用形態は常勤・非常勤があり、それにより収入も大きく違います。臨床心理士の約半数が非常勤で働いています。地方公務員の心理職は安定していますが、募集数が少なく3~15倍と倍率も高いです。

①臨床心理士の活動の場

教育関係、福祉関係、医療・保健関係、産業関係(職業安定所、障害者職業センター、従業員支援プログラム提供期間など)司法・法務関係などです。(児童相談所や行政機関は公務員試験合格が必要)

②臨床心理士の収入

常勤の場合は、年齢・経験によっても異なりますが、一般的な臨床心理士(常勤)の収入は200万円台~500万円程度が多いようです。公務員採用試験に合格して心理職として採用されると、初任給が月額20~23万円程度です(各自治体の給与基準によります)。常勤の場合は、一般の会社員と同等程度と考えるとよいでしょう。

非常勤の場合は、時給が1500円~4000円程度と幅があります。スクールカウンセラーは4000~5000円と高い方です。非常勤の場合は、掛け持ちしながら実績を積みより良い条件の所を探すというケースが多いようです。

3-2.産業カウンセラー

産業カウンセラー資格取得後、産業カウンセラーとして活動している人は取得者全体の26%程度ということが協会の調査から読み取れます。他はプライベートや職場の対人関係や自己啓発などの面で培ったスキルを活かしているようです。

産業カウンセラーは、企業・組織に所属する人がスキルアップのために資格取得することが多いようです。勤務先で「カウンセラー職」に就いている人は全体の15%程度です。その半数は、産業カウンセラー資格の他にキャリア・コンサルタントなどの資格も有しています。

①産業カウンセラーの活動の場

ハローワークや就業支援などの機関が多いようです。EAP(従業員支援プログラム)導入やストレスチェック・プログラム導入をサポートする企業に登録して派遣される非常勤の形もあります。

②産業カウンセラーの収入

協会の調査から、勤務先の職種「カウンセラー」と回答した人の年収を見てみましょう。

200万円~400万円程度の年収が多いようです。会社員の平均年収が400万円程度ですから、やや低いと言えます。下記の雇用形態によるものでしょう。
非常勤の場合は、時給1200円~2000円程度が多いようです。

③産業カウンセラーの雇用形態

カウンセラーという職種で勤務している人の雇用形態の内訳は以下のようになっています。

雇用形態は契約社員や非常勤が多いようです。

②と③の出典: 一般社団法人産業カウンセラー協会2009年産業カウンセラーの実態調査

3-3.精神保健福祉士

精神保健福祉士有資格者で就労している人では、66%が資格を生かした仕事に就いています。
精神保健福祉士資格は、仕事につながる資格と言えます。雇用形態では、常勤が多く約80%が正規職員として就労しています。

①精神保健福祉士の活動の場

精神保健福祉士の活動の場としては、精神病院や精神障害者福祉支援施設、保健所、高齢者施設などです。平成24年の就労者の内訳を見ると、医療関係(35%)、障害者福祉関係(30%)、行政関係(13%)、高齢者福祉関係(9%)となっており、医療・障害者福祉分野の就労が多いです。

②精神保健福祉士の収入

精神保健福祉士の全体の平均年収は340万円となっています。正規職員では、男性(419万円)、女性(362万円)となっています。非正規職員では、男性(254万円)、女性(215万円)となっています。

参考:平成24年度精神保健福祉士就労状況調査結果による

3-4.その他の資格

以上の資格以外の心理カウンセラー関係の資格では、一般企業や自治体など組織からの求人募集はほとんどありません。直接仕事にはつながらなくても、心理学資格の勉強をすることは自分のスキルアップにはつながるでしょう。

4.心理カウンセラーになるために求められる能力と適性

心理カウンセラーは心の問題を扱う専門家です。さまざまな立場の人がいますので、理解力やコミュニケーション能力が求められます。心理カウンセラーになるには、どんな能力が必要なのでしょうか。求められる能力と適性をまとめました。

4-1.心理カウンセラーに向く人の特性

自分の適性と仕事内容がかけ離れていると辛いものがありますね。勉強や経験を積めば身に付くことも多いものです。全てに該当しない場合は、進む道を考えた方がよいかもしれません。

①じっくり人の話を聴ける人

心理カウンセラーの仕事の大半は相談者の話に耳を傾けることです。相談者は自分の苦しみを判って欲しいと思っています。不用意に言葉を挟むと、話す気持が失せる相談者もいます。人の話を忍耐強く聴くというのはとても難しいものです。心理カウンセラーとして最も求められる適性でしょう。

②コミュニケーション能力がある人

相談者の状況・立場はいろいろです。相談者の立場を理解して会話の糸口を見つけたり、気持を共有してゆくようなコミュニケーション能力が求められます。自分がしたいコミュニケーションではなく、相手に合わせたコミュニケーションができる能力が求められます。

③精神的に安定している人

カウンセリングは辛い相談も多く、相談者が感情的になることもしばしばです。カウンセラーも一緒に感情に動かされていては良いカウンセリングはできません。カウンセラーが精神的に安定していることが求められます。

④客観的に考えられる人

相談者の話は、断片的で辻褄の合わないことも多いです。カウンセラーは相談者の言葉や状況など全体を客観的に見て、相手の意図を汲み取る能力が求められます。相談者に共感すると共に客観的な視点が大切です。

⑤読書が好きな人

心理カウンセラーの勉強中もなってからも、多くの資料や本を読まなければなりません。読書が嫌いという方は辛いのではないでしょうか。心理学関係の専門書には難しいものもあるので、普段から読書になれておくことが大切でしょう。

4-2.仕事別の求められる能力や適性

心理カウンセラーでも、上記に挙げた以外に、職種や内容によって求められる能力が若干異なります。代表的な例を紹介しましょう。

・スクールカウンセラーに求められること

学校や教育機関の中で仕事をします。場合によっては学校組織や保護者・教師の協力を得ることも必要になります。組織内の力関係を観察しつつ調整する能力などが求められます。

・産業カウンセラーに求められること

働く人の心の問題は、企業内の立場や人事評価・組織のあり方などが関ることが多いです。企業活動を取り巻く経済環境などの知識や、組織での仕事経験・ビジネス常識などは必要でしょう。

・ソーシャルワーカー(児童心理司や精神保健福祉士など)に求められること

福祉関係の場合は、問題解決のために他機関と連携します。自分自身があちこちに働きかけて協力依頼をすることも多く、コーディネート能力が求められます。

・独立開業で求められること

開業して集客運営するとなると、経営感覚やマーケティング能力、営業力が求められます。実績や経験をもとに開業される方がほとんどでしょう。実績の中で信頼関係を育んで人脈作りをしておく準備が大切でしょう。

5.心理カウンセラーの資格を取るメリット・デメリット

心理カウンセラーの資格を取るためには、費用と時間がかかります。
心理カウンセラーを目指す方の多くは、人のために役立ちたいという思いをお持ちでしょう。日本ではカウンセリングがまだ一般的ではなく、カウンセラーの需要が少ないのが現状です。ここでは主な資格についてのメリット、デメリットをまとめました。

5-1.臨床心理士

資格をとるメリット:心理関係資格では最も信頼度が高く、心理職資格としてどこでも通用する。

資格をとるデメリット:多大な費用時間がかかる割に、心理専門職として安定した正規職員の仕事が少ない。

5-2.産業カウンセラー

資格をとるメリット:企業・組織に所属している人であれば、スキルアップにつながる。実務経験があれば、職種によって転職の際に有利な場合もある。

資格をとるデメリット:資格があるだけでは仕事につながらず、ほとんどの求人は実務経験が必要。資格取得後の実践活動の場が少ない。

5-3.精神保健福祉士

資格をとるメリット:資格が就職につながる。

資格をとるデメリット:仕事の大変さの割に、収入は高くない。

5-4.その他(通信教育や資格講座など)

資格をとるメリット:比較的簡単に安く取得できる。家庭や職場の人間関係作りや、コミュニケーション力の向上に役立つ。

資格をとるデメリット:仕事や収入を得るのには、あまりつながらない。実技習得や実務経験を積むのが難しい。

6.まとめ:心理カウンセラーになるには資格の選定と活用方法が大切

心理カウンセラーの資格にはさまざまなものがあります。
心理カウンセラーになるには特別な資格を必要としませんが、働くには求められる資格を持っていることが求められます。
自分の目的や人生設計に合わせて、資格をどのように活かすかを考えることが大切です。
心理カウンセラーは心の問題を扱うので、精神的にも大変な仕事ですが、それだけにやりがいもあります。
心理カウンセラーを目指す方は、自分でもカウンセリングを受けてクライエントの立場を経験してみるのも勉強になります。
体験講座などに参加して色々な人の話を聞くのも参考になるでしょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加

記事更新日:2019年03月09日

Facebookページで更新情報をお届けします!



follow us in feedly
Close