英文履歴書の書き方ポイント【保存版】見本の例も!転職・就職編
英文履歴書はレジュメやCVとも呼ばれ、面接の機会を得るための自分自身をアピールするツールです。
日本の履歴書のように型にはまった形式がなく、書き方や体裁の自由度が高く、個性も出やすくなります。
書類選考を通過するための基本項目と、採用企業の興味を惹き面接に繋がりやすくするポイントをご紹介します。
目次
1. 英文履歴書を書くときのポイント
1-1. 求人内容を十分に理解する
求人内容を理解することは当たり前のように感じる人もいるかもしれませんが、このポイントを抜かしてしまうと良い履歴書を作成することができません。求人内容が履歴書を書くときの一番の材料になることを心に留めておきましょう。
求人内容の中で理解するべきこととして、まずは、どの企業に応募するとしてもポジションの標準を知ることが大切です。
例えば、アカウンタントならアカウンタント、セールスならセールスなど、そのポジションに求められる一般的な適性、専門的な能力を確認しましょう。インターネットの転職サイトなどで調べたり、ほかの人の英文履歴書の内容を参考にしたりするといいでしょう。
その上で、求人の内容を基に、その企業のそのポジションで求められているものは何かを考えましょう。
1-2. 採用側の視点を優先する
履歴書を書くときに、今までの経験やスキル、成し遂げてきたこと、自分の必要性や要望を最初に考える人は多いと思います。もしあなたが当てはまるなら視点の切り替えを強くおすすめします。
面接に進みやすい履歴書を書くために優先するべきなのは、募集している企業のニーズと視点なのです。
企業ニーズを基にして、自分がそのポジションに適した人材だという項目を当てはめていくのです。適任であることの提示と自分が何者かという提示が英文履歴書を目立たせるための鉄則になります。
採用側の視点を捉えるためには、先に挙げた求人内容の理解も有効です。さらに企業サイトを読むことで社風や価値観が見えてくることもあります。
1-3. 素早く読み取れるものにする
自分視点から、採用側の視点に切り替えることで、英文履歴書に記載する内容は絞られてきます。それをさらに魅力的に、読みやすく、ミスなく整えることが必要です。
採用側にとって魅力的とは、探しているもの、つまり、欲しい能力やスキル、社風に沿う人物像が見つかることです。
採用側にとって読みやすいとは、探しているものが見つけやすく書かれていることです。端的かつ具体的、根拠もある、無駄やミスがないということの他にも、余白、フォント、記載形式への配慮が行き届いていることです。
特に厳密な定型のない英文履歴書ではレイアウトを意識することは大切になってきます。
多くの英文履歴書に目を通さなければならない採用担当者にとっては、魅力的な部分が履歴書の30%を見たときに把握できることが望ましいでしょう。それ以外は読み進めてもらえない確率が高くなります。
2. 英文履歴書の基本項目
英文履歴書に記載する基本項目は以下の通りです。
- Personal information (個人情報)
- Objective または Summery (目的や目標)
- Work Experiences(職歴)
- Education(学歴)
- Qualification & Skills (資格やスキル)
- Reference(紹介者)
2-1. 英文履歴書の記載の全体的なルール
- my、me、You、He、Hisなどの人称代名詞やa、theなども省略します。
- 動詞で文章を書き始めることで、簡潔かつ強いメッセージ性を持たせることができます。
- 英数字は半角に統一します。
- 左右上下20mmずつの余白、行間のバランスも整えます。
- インデントはバラつきのないようにし、フォントはAriel、Times New Romanなどで統一します。
- A4 2枚に収まるのが理想です。
2-2. 各項目のルールと効果的な書き方
各項目の中にも細かにルールがあるので、ひとつひとつ確認していきましょう。
2-2-1. Personal information(個人情報)
名前、住所、コンタクト先(電話番号やメールアドレス)を記載します。履歴書を見て会ってみたいと思った採用担当者が必要とする部分です。スムーズに連絡が取れるよう間違いのないようにしましょう。
履歴書の一番初めの中央に記載します。
Yamada Taro
XX-X, Minato-Ku, Tokyo, Japan, 000-0000
090-XXX-XXXX
yamada@XXX.com
名・姓の順Mr./Ms.はつけない
2-2-2. Objective または Summery(目的・志向)
ObjectivesやSummaryは応募する内容によってどちらかを選択します。どちらを記載する場合も求人内容を十分に反映させることが大切です。この項目は履歴書の冒頭に持ってくるのが賢明です。
ポジション名の下に、企業が最も欲しがる要素について関連性の深いキーワードを使って書きます。
採用側の視点にマッチする名詞や動詞を使って文章を組み立てます。ここで書類選考の通過、不通過が決まってしまうほど重要な部分です。
ポジション名:一致(クリア!)
↓
Objective または Summeryの内容:マッチ度が極めて高い(クリア!)
↓
読み進める=より多くの情報を読んでもらえる(選考の対象)
■Objectives
Objectivesは、新卒などで職業経験がないとき、未経験の職種に応募するなどキャリアチェンジを考えているときなどに適しています。
目的や志向が書かれることが多いのですが、企業成長に貢献する、経験やスキルを活かすなどといった抽象的であいまい表現では印象を良くすることができません。どんな職業にも当てはまるような内容では採用側の心を動かすことはできません。
目的や志向というのは自分のことですよね。採用側は応募者の目的や志向を気にしてはいません。採用側は採用側の目的や志向を持っているのです。
優先するのは自分のゴールではなく、採用側のゴールです。書くべきなのは、自分の得意分野、専門性によって刷り合わせる双方のゴールなのです。
採用側のゴールを知るには、ウェブサイトの企業理念、年次報告書、企業の文献などをよく読んでみてください。多くのキーワードが隠れているはずです。それは採用担当者にとって親近感の湧く内容になるはずです。
有効なObjectiveにするには応募する企業やポジションで求められているスキルやキャリアの方向性を記載することです。自分は何ができ、何を提供でき、それらが応募する企業に利益をもたらす価値のあるものだということを伝えるのです。
またそれが企業の方向性や必要性に沿っていることは採用側の立場からすると必須のことなのです。
■Summary
経験のある業界や職種に応募するときには、Summaryが適することが多いです。経験とスキルを結び付けて、より専門性を出し、自分自身をブランディングすることができます。
希望するポジションに必須の適性、使うことで自分が充実感の得られるスキル、能力を的確に表現できる業績、一番情熱の持てる領域を考えます。この段階では項目は多くなっても構いません。
上記を書き出したら、応募企業の優先事項として考えられるもの、また応募するポジションで最も重要となる適性や能力をピックアップします。ここでは採用側の視点に立つことが大切です。
1、2を照らし合わせて自分の要望と応募企業の必要性の重なる部分を見つけ、うまく統合させていきます。応募企業にベネフィットをもたらす、自分のアピールポイントを書くのがポイントです。
2-2-4. Work Experiences(職歴)
日本語の履歴書では学歴を職歴よりも先に書いたり、職歴についても古いものから書いたりすることがありますが、英文履歴書では常に直近のものから遡るように書いていくのがルールです。
職歴に記載する項目は、在職した企業名、住所、在職期間、役職やポジション名、業務内容です。
ひとつの企業で携わったことをまずは書き出し、応募する求人内容に関連性のあるもの、応募するポジションに適しているとアピールできるものをピックアップします。
■業務内容についてのポイント
- 箇条書きにすることで、採用担当者の注意力を高めます。
- アクションワードを駆使して簡潔にまとめます。統合力やコミュニケーション能力が測られます。
- 業績や成果については、具体的な数字を盛り込み信ぴょう性を高めます。
- 能力については、根拠となる具体例を入れるとイメージしやすく、説得力が高まります。
- 関連性のあることだけを含めることで優先順位を立てる能力が測られます。
2-2-5. Education(学歴)
学歴も現在に近いものから記載します。学校名、在学期間、専攻内容が基本項目です。中学以下については記載の必要はないでしょう。スキルアップのためのプライベートスクールを含めることも可能です。
求人の内容に関連のあるコース受講やサークルへの参加、特別に研究したことなどについては詳細を記載すると効果的です。現在も在学中、履修中の場合は、在学期間の部分に修了予定を記載しておきましょう。
2-2-6. Qualification & Skills (資格やスキル)
頑張って資格を取得したら、それだけ書きたくなるものですができるだけ求人内容にフィットするものに絞ります。現在資格取得を目指している項目も未取得ということを記載の上で加えるといいでしょう。
特定の言語の能力はレベルを、特定のコンピュータースキルなども習熟度を記載できるといいでしょう。
2-2-7. Reference(紹介者)
紹介者、もしくは信用性を証明する人物の情報を記載する項目です。履歴書の記載内容を証明してくれる人に承諾を得て記載するようにします。職歴があれば以前在職した企業の上司、新卒であればお世話になった先生などが適切でしょう。
3. 英文履歴書のその他の項目
下記の2項目は、通常のスタイルであればObjectivesやSummery、Work Experience
などの中に含めていきますが、別途にクローズアップしたい時に別項目を設けてもいいでしょう。
Accomplishments (業績)
Competencies (能力)
下記の項目については、求人内容に関連性の高いものであれば入れるようにするといいでしょう。
Volunteer (ボランティア活動)
Languages (言語)
Licenses (免許)
Publication (出版)
Awards (表彰)
Seminar (セミナー)
4. 新卒の英文履歴書には何を書くか
新卒の場合、職歴がないので履歴書が薄くなってしまうと心配する人も多いと思います。職歴の項目は省くことになります。
就職でなくてもアルバイト、ボランティア、インターンシップなど何らかの組織に関わり、そこで得た知識や経験があれば記載することができます。Experience(経験)の項目を設けて記載するといいでしょう。
また、在学中に学んだ分野の詳細、特別に受けたコース、好成績、在学中に表彰を受けたことなどをアピールの材料にすることができます。
もちろん取得した資格についての記載もします。資格のないもので有効となりそうな知識やスキルを得ていればSkills(スキル)に加えて記載するといいでしょう。
応募するポジションに関連のあることを、より詳しく、具体的に記載することがポイントになります。
5.英文履歴書の添削を受けるには?
自分だけで英文履歴書を作成すると記載内容のクオリティーに不安が残るものです。転職エージェントの多くは英文履歴書の添削サービスを行っています。
転職エージェントのキャリアコンサルタントは、多くの英文履歴書に触れ書類選考を通過するための書き方を心得ています。より採用担当者の視点で見てもらえるので、有効なアドバイスをもらうことができるでしょう。
転職エージェントをはじめ、周囲のネイティブに添削をお願いするときは、間違いがないか、見やすいか、求人内容に対して自分の書いたスキル、アピール内容がフィットしているかを見てもらうといいでしょう。
6. 英文履歴書の種類
英文履歴書には大きく分けて3つの種類の形式があります。Chronological(クロノロジカル)、Functional(ファンクショナル)、Combined(コンバインド)です。応募時の状況に合わせて使い分けるのが効果的です。
■Chronological
職歴や学歴の流れを時系列に沿って記載していく形式です。キャリアに一貫性のある人はその変遷を表現するのにこの形式が適しています。
■Functional
時系や職歴順序にこだわらず、関連のある専門知識や経験をまとめた形式です。転職歴が多い場合、これまでと違うキャリアにトライする場合、新卒の場合、解雇された人もこの形式の方が前向きな表現ができます。
職歴の前にAccomplishments(業績)という項目を設けて主な業績や達成事項、特記したいスキルなどを盛り込みます。その後に、Work Experiences(職歴)を社名、期間で簡潔に並べるようにします。何ができるのかを強調する書き方です。
■Combined
上記の2つを合わせた形式です。現在ではこの統合した形式がよく使われるようになっています。
キャリアに統一性があり、かつ特記できる業績や適性が顕著な場合に向いています。
7. 英文履歴書のサンプル
Chronological(クロノロジカル)形式の履歴書のサンプルをご紹介します。(PDF参照)
8. カバーレターに書く内容
英文履歴書とセットで提出するのがカバーレターです。採用責任者への手紙と考えてください。英文履歴書と同じでスタイルに決まりはありません。履歴書にプラスして自分をアピールできるツールになるので、効果的に作り上げましょう。
- 日付 提出日です。
- 宛名(採用責任者名/役職名/会社名/住所)採用責任者が不明なら確認を取ります。
- 挨拶 Dear 敬称+フルネームで始めます。名前のあとは「,」を忘れずに。
- 本文 どうやってその求人を知ったのか
☆自分が適任であることを明確に具体的にアピールします。
☆最も印象的で、関連性の高い能力やスキルを提示します。
☆面接を依頼する文面を記載します。 - 締め Sincerely,
- 署名 応募者の手書きサイン
- 署名 タイプした応募者の名前、電話番号、メールアドレス
英文履歴書は人生の物語というより、自分を宣伝するマーケティングツールといえるでしょう。ターゲットは企業に選んでもらうことです。内容を絞り込んで、求められることをしっかりと盛り込むことで熱意の伝わる履歴書やカバーレターを作成しましょう。