インターネット・Web広告11の種類と比較【保存版】
国内の広告市場で、テレビ広告に次いで2009年に2位の市場規模となったインターネット広告。
インターネット広告と一口に言っても、その中では掲載面やターゲットの属性、課金方法、広告クリエイティブなどによって様々な種類があります。
そこで今回は初心者がネット広告の概要を掴むために、インターネット・Web広告の種類と比較を行いました。
目次
1. リスティング広告
リスティング広告は、検索エンジンの検索結果ページに表示されるタイプの広告です。大きく「検索連動型広告」と「ディスプレイ連動型広告」に分けられます。
検索連動型は、GoogleやYahooなどの検索エンジンに検索キーワードを入力して検索をすると、そのキーワードに関連性の高い広告が表示される広告です。
ディスプレイ連動型は、インターネット上の様々な個人・法人のサイトやブログと提携をし、広告の内容にマッチしたサイトへ出稿ができる広告です。ディスプレイ連動型広告は、コンテンツマッチ広告と呼ばれる事もあります。
リスティング広告(検索連動型)について、詳しくはこちらでも解説しています。
リスティング広告で主要な媒体は以下が上げられます。
1-1. GoogleAdWords
GoogleAdWords(アドワーズ)は、Googleが広告主に対して提供するクリック課金型の広告サービスです。
検索エンジンの検索結果ページに表示されるタイプの「検索ネットワーク」と、一般のWebサイトやブログに表示されるタイプの「Googleディスプレイネットワーク(GDN)」に分類されます。
1-2. Yahooプロモーション広告
Yahoo! JAPANが提供するクリック課金型広告です。Googleと同様に、検索連動型の「スポンサードサーチ」と、コンテンツ向けの「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」があります。
1-3. レモーラリスティング(REMORA Listing)
レモーラリスティングは、クロスリスティング社が提供するリスティング広告です。goo、OCN、BIGLOBE、@niftyをはじめとする国内最大級の広告配信ネットワークで良質な見込み客の誘導ができます。
レモーラリスティング
1-4. D2C Listing Ads
「D2C Listing Ads」はD2C社が提供するモバイルリスティング広告です。NTTドコモのポータルサイト「iメニュー」「dメニュー」にリスティング広告を配信できる広告です。
リスティング広告の種類について詳しくは『リスティング広告の種類と比較ポイントまとめ【保存版】』で特徴や料金などの比較をご紹介しています。
2. アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、設置された広告を通して発生した成果に応じて費用が発生するタイプの広告手法です。
インターネット上に存在する個人・法人のWebサイトやブログに、自社商品のポジティブなレビュー記事を掲載して行うのが一般的で、さらにそこから成果が発生した場合のみ広告費を支払えば良いため、認知&費用対効果が非常に高いです。
アフィリエイト広告を出稿する際は、複数のパートナーサイトを束ねている、アフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)を通して通常行います。
ASPに出稿することで、数百万のパートナーサイトへ一斉に掲載の打診を行うことが可能です。出稿単価は、自社の損益分岐点以下で設定する事ができ、不正な成果については支払い対象から除外することができるため、リスクが低い点が魅力です。
※アフィリエイト広告について詳しくはアフィリエイト広告とはでも解説しています。
2-1. バリューコマース
バリューコマースは国内で最初にアフィリエイトサービスを開始した老舗のASPです。
大企業から中小企業まで幅広く利用されている上場企業で、開始まで最短対応、クレジット決済対応、最安料金などが強みです。
アフィリエイト広告を初めて利用する方はバリューコマースがおすすめです。以下から無料で詳細資料をダウンロードすることができます。
2-2. A8.net
A8.netは、PC・スマートフォン対応アフィリエイトサービスです。アフィリエイトパートナーサイト数が多いことが特徴のASPです。初期費用52,500円、月額費用42,000円(最低6ヶ月契約)がイニシャル/ラーニング費用として発生します。成果報酬額は自由に設定ができ、成果報酬額の30%が追加でA8.netに徴収されます。
A8.net
2-3. リンクシェア
リンクシェア(LinkShare)はアメリカ発の世界最大のASPです。豊富な広告フォーマットなど、様々な高機能を搭載していることが特徴です。初期費用が120万円かかるので、大企業を中心に出稿がされています。
アフィリエイト広告の種類について詳しくは『アフィリエイト広告の比較』で特徴や料金などの比較をご紹介しています。
3. アドネットワーク広告
アドネットワーク広告は、多数のWebサイトやブログを集めてネットワークを形成し、そのネットワーク内のサイトへ広告を配信する手法です。
広告を出稿する際は、アドネットワークを提供する事業者から行います。アドネットワークは多くのWebサイトやブログを媒体化しているため、大量のトラフィックを確保することが可能です。また、多種多様なサイトがカテゴリー分けされており、カテゴリーごとやプレースメント(Webサイトなど)ごとにリーチすることも可能です。
広告タイプはテキスト・バナー・レクタングルなど多様なクリエイティブを使用できます。課金方式はインプレッション保証型とクリック課金型が主流となっています。
3-1. アイモバイル(i-mobile)
アイモバイルは、PC・スマートフォン・モバイル向けのアドネットワークです。国内最大級の月間655億インプレッションを誇ります。セグメントをOS、キャリア、端末、媒体指定などができます。媒体は開示され、媒体ごとにCPCの調整を行うことができます。
3-2. nend(ネンド)
nend(ネンド)は、iPhone・Androidなどスマートフォン向けアドネットワーク広告です。スマートフォンサイトやアプリへの配信が可能です。OS(iOS、Android)指定、端末指定や女性向け・男性向け媒体、キーワード配信メニューなどが備わっています。初期費用・最低出稿額が不要なのも魅力です。広告毎に時間・曜日の指定配信が可能で、1時間ごとにレポーティングされるのが特徴です。
3-3. マイクロアド
マイクロアドは、行動ターゲティング広告配信サービスです。リターゲティング、サイコグラフィック・ターゲティング、デモグラフィック・ターゲティング、ノンターゲティングの大きく4種類の質の高いターゲティングを行うことができます。
4. DSP広告 (デマンドサイドプラットフォーム)
DSP広告はDemand Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)の略称で、広告主側の広告効果の最大化を支援するプラットフォーム(ツール)です。
広告主が予算、サイト情報、配信設定、目標設定、クリエイティブなどを登録すると、登録された条件に従ってDSPの管理するネットワーク(アドネットワーク、SSP、アドエクスチェンジ等)で広告枠を自動的に買い付け、配信を行ってくれます。
掲載枠やユーザーをセグメントするだけでなく、過去の配信結果から最適なパフォーマンスを得られるように、各社が様々なアルゴリズムを提供しています。人間が分析できない領域で素早く複雑な分析を行い、それらを即座に反映してくれるのが強みです。
DSP広告について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
4-1. MicroAd BLADE
MicroAd BLADEは国内大手のDSPです。月間700億インプレッションを超える規模のネットワークへ配信が可能で、オーディエンス拡張やリターゲティングなど豊富な機能がそろっています。
目標CPAにあわせてRTB (リアルタイムビッディング) を自動化してくれるCPAオプティマイズ機能や、最低出稿額などの条件がないため低予算からでも開始ができる点が特徴です。
4-2. FreakOut(フリークアウト)
国内で初めて RTBによるDSPを開始したサービスです。TVCMと連動した配信機能や、間接効果のレポーティングなど、アトリビュージョンとの連動を重視して作られています。
4-3. MarketOne(マーケットワン)
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムの子会社であるプラットフォーム・ワンが提供するDSPです。特徴としては、広告配信における様々な変数を学習していき、オーディエンスデータやフリークエンシーの組み合わせによって、CTR/CVRを最適化するエンジンを搭載しています。
5. 動画広告
Webサイトの広告枠で、テレビCMのように一定時間動画を表示する広告手法。
広告となる動画を直接クリックしたり、映像が終了したあとにWebサイトへ誘引します。
映像と音声でリッチな表現ができるため、バナー広告と比較してCTRは高い傾向にあります。テレビCMと同様に企業のブランディングにも活用されます。
年々インターネットの普及によって、テレビCMではリーチできない層が増えてきています。また、テクノロジーの発展によって広告効果の改善が進んでいる事から、2013年のネット動画広告の市場規模は前年比329%の132億円と急激に伸びています。
5-1. TrueView
Googleの取り扱う動画広告向けAdWords広告です。YouTube や Google ディスプレイ ネットワークに向けて配信され、ユーザーが広告を視聴するよう選択して初めて料金が発生します。
Ameba
サイバーエージェントが提供するスマートフォン向けAmeba内に動画広告を出稿できる広告メニューです。「Ameba メガムービーパネル」「Ameba ムービーインパネル」「Ameba ムービーキャンバス」があります。いずれも価格帯は150万~400万と大きめですが、10~30代の女性へ大きくリーチすることが可能な動画広告です。
6. ソーシャルメディア広告
ソーシャルメディア広告は、ソーシャルメディアへ情報を広める仕組みを備えた広告手法です。
ブログ、Twitter、Facebook、YouTubeをはじめ、消費者がメディアを持つようになった今、ソーシャルメディアを活用したマーケティングのニーズが高まっています。
ソーシャルメディア広告では、主にソーシャルグラフ(ソーシャルネットワーク上での友人とのつながり)を利用してターゲティングされます。
また、インパクト・話題性のある内容でユーザーの興味・関心を集めて、口コミや話題を発生させてバイラルを発生させる際にも活用されます。
6-1. facebook広告
facebookが提供する広告で、facebookの右サイドバー、ニュースフィード内に表示されます。ユーザー属性や興味関心などから、ターゲティングを非常に細かく行えることが特徴です。広告キャンペーン・価格・日程を設定できるため、低予算からでも出稿が可能です。
6-2. Twitter広告
Twitter Japan社が提供するTwitter向け広告メニューです。検索結果またはユーザーのタイムラインに広告主のツイートを掲載できる「プロモツイート」や、Twitterのホーム画面左にある「トレンド」エリアの最上位に、指定したキーワードを表示する「プロモトレンド」などがあります。
6-2. LINE@
国内最大のメッセージングアプリ「LINE」が提供する、販売・来店促進サービスです。様々な地域でビジネスを展開している飲食・アパレル・美容・宿泊施設などの実店舗を対象にしたサービスです。LINE@へ申し込むと、LINE内外にホームページを持つ事ができ、LINEでお店の予約や問い合わせ受付、クーポン配信などができます。
初期費用・月額料が無料で基本機能が全て利用できますので、まずはアカウントを取得してみる事をおすすめします。
LINE@
7. ネイティブ広告(記事広告)
ネイティブ広告(編集タイアップ広告)は、自社の広告を配信するのではなく、第三者目線で作られたコンテンツによって消費者へ訴求する広告手法です。記事広告とも言われ、2014年以降でアメリカを中心に急速に成長しているWeb広告分野です。
通常のバナー広告などは消費者がよく見てくれなかったり、内容を鵜呑みにしないという前提があります。編集タイアップ広告では、出稿メディアの実際のコンテンツであるかのように訴求されるため、ユーザーへの信頼度・訴求度が高まることが特徴です。
また、読み物となる事が多いため、ユーザーに十分な情報を与えた状態で欲求の角度が高いユーザーを誘引することが可能となります。
ネイティブ記事は、直接メディアに交渉を行うか、広告代理店などを通じて出稿を行います。
7-1. Gunosy Ads
スマートフォン向けニュースアプリのグノシーのユーザーへ配信できるネイティブ広告です。Gunosyが所有する興味・関心のセグメントデータを活用し、ダイレクトに狙ったセグメントへアプローチすることができ、費用対効果の高い広告出稿が可能です。
7-2. NAVERまとめ
国内最大のまとめサイト「NAVERまとめ」のネイティブ広告です。月間21億PVを超えるユーザーに向けて、まとめコンテンツをPRすることが可能です。
7-3. Antenna(アンテナ)
国内最大級のキュレーションサービス「Antenna(アンテナ)」のネイティブ広告です。350万を超えるスマートフォンユーザーに向けてアプローチが可能です。
8. メール広告
電子メールに掲載される広告です。ユーザーのメールアドレスデータを所有している媒体が取り扱っています。バナー広告と同じく、インターネット普及初期から使われている広告手法です。
メールの広告手法は、年齢・性別や興味・関心などの条件から配信ユーザーを絞り込める「ターゲティング広告」や、媒体が発行するメールマガジンに数行程度の広告を挿入する「メールマガジン広告」などがあります。広告はテキストベースや画像が用いられ、リンク先となるURLを設置するのが一般的です。
9. バナー広告(純広告)
バナー広告は、Webサイト上に画像やFLASHを用いて表示される広告です。
インターネットが登場した初期の頃にスタンダードとなった広告手法です。
画像やFLASHによる豊かな表現力によって認知拡大に利用されるか、ユーザーセグメントがされた特定のWebサイトへダイレクトに出稿したい場合などに用いられます。
10. RSS広告
ユーザーのRSSフィード内へRSS記事と並んで表示される広告です。
RSS購読者情報を保持する媒体から出稿ができます。RSSはWebサイトの更新情報などを配信する際に用いられ、ニュースサイトの記事のタイトル文など、短かい情報が表示されます。
特定のWebサイトの読者にむけて、新しい情報と並べて配信することで、読者の興味・関心を引き出すことを狙います。
11. リワード広告
リワード広告は、成果報酬型(アフィリエイト)広告の一種で、アクセスした訪問者に報酬の一部を還元する仕組みを持ったネット広告です。
多くはポイントサイトと提携をし、報酬はポイントサイトやサービス内で使用できるポイントを付与するのが一般的です。短期間でユーザーの特定のアクションを増やす事が可能であるため、主にスマートフォンアプリのランキング効果や、ソーシャルメディアと連携させて拡散を狙うなどのシーンで活用されています。
国内の主要サービスでは、「CA-Reward」「AppDriver」「GMO SmaADリワード」などがあります。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
インターネット広告はターゲティングのしやすさや費用対効果が測りやすいといったメリットの反面、競合過多となって広告単価が高騰しがちです。
そのため自社のビジネスモデルやターゲットユーザーに合わせた広告手法・広告媒体を選定するプランニング能力や、そこでパフォーマンスを上げる事のできる高い運用ノウハウが必要になってきています。
インターネット広告の種類を理解し、最適な広告を選ぶ際の参考になれば嬉しいです。
インターネット広告の中でもモバイル・スマートフォン広告も増加の一途をたどっています。
スマホ広告については『スマホ広告(スマートフォン広告)の種類・料金まとめ』でもご紹介していますので、よろしければご参考頂ければ嬉しいです。