SEOキーワードの選定|18の手順と方法
SEOで成果を上げるには、キーワードの選定が非常に重要です。
キーワードの選定をうまく行えば、同じ時間で何も考えずにコンテンツを作った時に比べて、検索エンジンからの流入を倍以上に伸ばすことも可能です。
稼げるSEOキーワードの基本は、
- 購買意欲が高いユーザーが好んで使用するキーワード
- ライバルが少ないキーワード
です。
今回はSEOキーワードについて、良質なキーワードを選定する手順・方法を解説していきます。
SEOキーワードの選定手順
SEOキーワードの選定手順は、大きく4つの段階に分けて行うことがお薦めです。
- 調査:キーワードを洗い出す作業
- 拡張:洗い出したKWをベースに、更にキーワードを拡張・追加する作業
- 整理:キーワードをグルーピングする作業
- 選定:コンテンツを作成するキーワードを、優先順位付けして決定する作業
今回は上記の手順で、良質なSEOキーワードを選定するための方法を解説していきます。
1. SEOキーワードの調査
はじめに、SEOの候補となるキーワードを出来る限り調査してキーワードリストを作成していきます。
自サイトの目的やビジネスに関連したSEOキーワードを効率的に、幅広く、洗い出していきましょう。
1-1. サイト上で使用しているキーワード
サイトのトップページやサテライトページで使用しているキーワードは、検索エンジンのビックワードが中心になっている場合が多いです。自サイトと競合サイトから、サイト上で使われているキーワードを洗い出します。
『Google AdWords キーワードプランナー』を使えば、URLからページ上のキーワードを抜き出して、一覧にして検索回数などの付加情報を加えてくれます。
- Google AdWords キーワードプランナーへログイン
- 新しいキーワードと広告グループの候補を検索
- 対象サイトのURLを入力して検索を取得
- キーワード候補のタブをクリック
2. キーワードプランナーの関連語
サイト上のSEOキーワードや、自分で発想したキーワードをいくつか出したら、キーワードの関連語を洗い出します。
Google AdWordsキーワードプランナーでは、関連するSEOキーワードの候補を集める事ができます。
自サイト・競合サイト上で調べたキーワードや、自ら発想したキーワードを元にして、関連キーワードを集めていきます。
- Google AdWords キーワードプランナーへログイン
- 「新しいキーワードと広告グループの候補を検索」を選択
- 「宣伝する商品やサービス」の欄に関連キーワードを調べたいキーワードを入力して検索を取得
- キーワード候補のタブをクリック
3. 自サイトのオーガニック検索トラフィックデータ
これまでに検索エンジンから流入のあった検索トラフィックデータから、SEOキーワードを洗い出すことができます。
『Google ウェブマスター ツール』と解析ツール(『Google アナリティクス』など)から、
- 検索エンジンに表示されたキーワード
- 検索エンジンから流入のあったキーワード
- 検索エンジンからCV(成約)のあったキーワード
を調査することができます。
- Google Webマスターツールへログイン
- 「検索トラフィック」>「検索クエリ」を選択
- 表示回数、クリック数、CTRを確認することができます。
4. 自サイトのPPC広告(リスティング広告)の検索クエリデータ
PPC広告(リスティング広告)を出稿している場合、過去にしたことがある場合は、検索クエリレポート(検索語句レポート)が活用できます。
検索クエリレポートは、ユーザーが実際に検索をして広告を表示・クリックした生の検索キーワードレポートです。
前述した「自然検索クエリデータ」は、現在は9割近くが「not provided」と表示されてしまいますが、同レポートは検索クエリを取得することができます。(ただし、リスティングで広告出稿を行ったキーワード・マッチタイプの範囲内に限定されます。)
- GoogleAdWordsへログイン
- 「キャンペーン」を選択し、「キーワード」タブを選択
- 「詳細」タブの検索語句を「全て」に選択
- 期間を任意で選択し、「ダウンロード」を選択
5. 検索エンジンのサジェストキーワード
サジェストは検索エンジンにキーワードを入力している最中に、よく検索される語句が候補として表示される検索エンジンの機能です。ユーザーはキーワードを全文入力することなく、検索を行うことができます。
実際の検索回数は少ない(月間10回以下)キーワードも多いですが、他のキーワードツールでは出てこないようなキーワードを発見できる事もあります。
『関連キーワード取得ツール』を使うと、一発でサジェストキーワードを抜き出してコピーすることができます。
- 関連キーワード取得ツールへアクセス
- キーワードを入力して「取得開始」をクリック
- あ〜zまでの全サジェストキーワードが表示されます。
6.ユーザーの疑問・課題を表すワード
ユーザーの疑問や課題をダイレクトに解消できるページがあれば、高い成約率が期待できます。疑問や課題が集まっているのが『Yahoo!知恵袋』などのQ&Aサイトです。
キーワードツールはある前提や軸となるキーワードに沿って調査をしていくものが多いため限界がありますが、Q&Aサイトは世界中のユーザーからの生の疑問・課題が日々投稿されているため、自分が全く発想できなかったような軸でSEOキーワードが見つかることがあります。
7. 季節、イベントを表すワード
季節やイベントの需要があるサイトについては、季節・イベント関連のキーワードと組み合わせましょう。
年間の販促・季節イベントは『POPWORLD』で確認することができます。
8. キーワードのトレンド
検索エンジンで検索されるキーワードの2割は、これまで過去に1度も検索されたことのないキーワードです。新しく生まれるキーワードやマスメディアなどで話題になっているキーワードにアンテナを張りましょう。
『Googleトレンド』をウォッチすることで、トレンドを効率的に収集することができます。
9. オフライン
オフライン情報には、オンラインでは使われないようなキーワードが使用されている事が多くあります。
自サイトの分野に近い出版物からキーワードを探すと、オンラインでは関連づけられていないキーワードを発見できることがあります。
2. SEOキーワードの拡張・追加
SEOキーワードの洗い出しを行ったら、それらのキーワードをベースにし、別のキーワードを更に拡張・追加していきます。
2-1. サブキーワードを加える
月間1千〜10万回以上検索されるビックワードやミドルワードに対して、サブキーワードを加えた複合キーワードを追加していきましょう。実際のSEOキーワードは、この複合ワードがメインになる事が多いです。
複合ワードとしては、地域や駅などのエリアキーワードから、情報収集や検討、購入などの購買欲求ワードなど、様々な複合ワードに拡張することができます。
以下の10分野を参考に、該当するサブキーワードを追加していきましょう。
属性 | 例 |
---|---|
地域 | 東京、豊島区、池袋 |
路線・駅 | 山手線、池袋駅 |
時間 | 一日、一週間、夜、短期、長期 |
緊急 | 今日、即日、当日、特急、緊急 |
価格 | 格安、激安、無料、価格、値段 |
販売方法 | 通販、店舗、新品、中古、レンタル、無料、宅配 |
状態 | シンプル、大きい、小さい |
情報 | とは、意味、って、何、特徴、メリット、デメリット |
検討 | 比較、おすすめ、ランキング、人気、レビュー、事例 |
行動 | 予約、購入、入会、見積もり、相談、申し込み |
2-2. 「共起語」でメインワードを拡張する
共起語とは、同じ文章のなかで頻繁に同時に使用される言葉を指します。また、同意語ではありません。
検索エンジンが関連度を評価する際に、簡単に言うと、この共起語が多く含まれている方が検索順位が上がりやすいと言われています。ビックワードやミドルワードの共起語を調べることで、競合の少ないブルーオーシャンなキーワードを発見できることがあります。
検索エンジンの上位50位までの共起語は『共起語検索ツール』で簡単に調べることができます。
2-3. 「同義語、類語、略字」を追加する
検索エンジンは同じ意味を持つような語句の解析技術も次々に発達させていますが、現状はまだ類語を意識する必要があるケースも残されています。違う表現の仕方がある場合は、SEOキーワードとして検討しましょう。
『Weblio類語辞典』を使うと類語を洗い出すことができます。
3-4. 「連想語」を追加する
キーワードと違う意味を持っていても、連想できるようなワードは、近いニーズを持ったユーザーが多い可能性もあります。また、競合がまったく気づいていない場合もあります。
3-5. キーワードの視点をずらして発想する
上記のツールやフレームワークを用いてSEOキーワードを一通り拡張・追加できたら、ビックワードを中心に、視点をずらしてキーワードを発想してみましょう。
ツールで機会的に処理される範囲では見つけ出せないブルーオーシャンなSEOキーワードが必ず見つかります。
視点をずらす方法としては、大きく以下の4つです。例を交えてご紹介します。
例)キーワード「SEO」
- 目的をずらす:売上アップ、集客、問い合わせを増やす
- 意味をずらす:検索上位表示、Google上位表示
- 手段をずらす:リスティング広告、PPC広告、Googleアドワーズ
- シチュエーションをずらす:検索順位が上がらない、順位が低い、検索エンジンに出てこない
例で使用したキーワードが「SEO」だと各ワードの検索回数が少なくて参考にならないかも知れませんが、イメージは湧くと思います。
上記のように、視点をずらす事でツールでは発見できない、競合の少ないキーワードを見つけていきます。
3. キーワードの整理・グルーピング
SEOキーワードの洗い出しを行えたら、キーワードを選定・管理しやすいように整理していきます。整理する際は、キーワードを属性ごとにグルーピングしていきます。
エステの店舗情報のポータルサイトの例を以下へ記載しておきます。
キーワードのグルーピング例
ビックキーワード (ノンブランド) | エステ、エステサロン、脱毛、痩身 |
ブランドキーワード | TBC、ミュゼ、銀座カラー |
カテゴリキーワード | (技法)レーザー脱毛、光脱毛、脱毛クリーム |
その他ワード | (関連)ムダ毛 |
ブランド×ビック | 「TBC エステ」「ミュゼ 脱毛」 |
ブランド×カテゴリ | 「TBC 東京」「ミュゼ 全身」 |
ブランド×行動 | 「TBC 申し込み」「ミュゼ 体験」 |
ブランド×その他 | 「ミュゼ 口コミ」「TBC 評判」 |
ビック×カテゴリ | 「エステ 全身」「脱毛 新宿」 |
ビック×行動 | 「エステ 体験」「脱毛 キャンペーン」 |
ビック×その他 | 「エステ 準備」「脱毛 知識」 |
カテゴリ×行動 | 「全身脱毛 体験」「顔脱毛 激安」 |
カテゴリ×その他 | 「全身脱毛 準備」「顔脱毛 注意」 |
場合によっては、この段階でサイト構造(カテゴリー階層など)を再設計しておいた方が良いこともあります。
4. SEOキーワードの選定
グルーピングを終えたら、SEOキーワードの選定を行います。
選定で行うことは大きく以下の2つです。
- 対策有無の決定:SEOキーワードとして対策をするのかしないのかを決定
- 優先順位付け:対策をするSEOキーワードの優先順位付けを行う作業
4-1. 対象SEOキーワードの絞り込み
SEO対策の対象になるのかならないのかの有無を決め、対象外となったキーワードはリストから除外しておくと、SEOキーワードの選定がスムーズです。
対象有無を絞り込むポイントとしては、まずは以下に該当するような全くターゲットではないキーワードを除外していきましょう。
商圏外 | 都道府県、市区町村、駅、ランドマークなど |
取り扱い商品外 | 新品、中古、レンタル、無料、取り扱っていない商品など |
販売チャネル外 | 店舗、通販、ダウンロードなど |
会社/事業部/担当者の判断 | 会社的・政治的な判断、サイトブランディング上など |
その他 | 求人系、教育系、全く対象に無関係など |
4-2. 優先順位付けのリサーチ
SEOキーワードの対象有無をフィルタリングしたら、残ったキーワードに優先順位を付けてSEOキーワードの選定を行います。
SEOキーワードの選定は以下の4項目を総合して選ぶことがポイントです。
- 欲求度:どれくらい儲かるキーワードかを見極める
- 検索回数:どれくらいニーズが広いかを調べる
- 競合性:強いサイトや質の高いページが検索上位にいるかを調べる
- 制作難易度:コンテンツを作る難易度や想定される工数を算出する
これらを総合して最も評価の高いキーワードが、最短で高いROIを出すことができるSEOキーワードといえます。
4-2-1. 欲求度
欲求度は、どれくらい儲かるキーワードなのか?です。
ユーザーの購買までのプロセスは、大きく以下の3つにフェーズ分けすることができます。
- 興味:なんとなく興味を持っている状態
- 検討:購買を検討するために調査している状態
- 購買:購買を決めてアクションを起こそうとしている状態
ビジネスで最も成約率が高いのは通常「購買」などの行動を表すキーワードと、指名系のキーワードです。そして、下にいくほど基本的には競争も激しいキーワードになります。
興味 | とは、意味、って、何、特徴、メリット、デメリット、長所、長所、対応、性能、機能、特徴など |
検討 | 価格、料金、値段、比較、おすすめ、ランキング、人気、レビュー、事例、サンプル、実績、相談、店舗、営業時間、問い合わせ、アクセス、電話番号、住所など |
購買 | 予約、申し込み、問い合わせ、割引、クーポン、キャンペーン、特典、激安、通販、購入、販売、入会、ダウンロード、体験、中古、レンタルなど |
キーワードリストには、これらの欲求を3段階程度の数字で記載しておきましょう。
4-2-2. 検索回数
2つ目は検索回数です。検索回数が多いほど収益を拡大する機会が増えるため、好評価となります。
検索回数は先ほどご紹介した、Googleが提供する『Google AdWords キーワードプランナー』で調べるのが良いでしょう。Yahoo!とYahoo検索パートナーについては、Googleの1.5倍を平均値として考えます。
(キーワードによって異なるため、より正確なYahoo!の検索回数をリサーチしたい方はYahoo!が提供する『キーワードアドバイスツール』を使用しましょう。)
- Google AdWords キーワードプランナーへログイン
- 「運用ツール」内の「キーワードプランナー」を選択
- 「キーワードの検索ボリュームを取得、またはキーワードを広告グループに分類」を選択
- テキストボックスにキーワードを入力(複数のキーワードを一括で調べたい場合は、1行に1つずつ記入するか、カンマで区切って入力)
- 「検索ボリュームを取得」を選択すると、該当キーワードの月間検索回数(過去12ヶ月の平均値)が表示されます。
4-2-3. 競合性
SEOで成果を上げるには、強い競合サイトがいないSEOキーワードから狙うことが重要です。そのため、競合サイトの強さを計るために、「上位表示難易度」と「コンテンツの質」をリサーチしましょう。
上位表示の難易度は、『関連キーワード取得ツール』で調べることができます。おおよその数字にはなるので、キーワードによっては大幅に前後することもありますが、参考にするには役に立ちます。
コンテンツの質は、検索結果ページの上位1ページ目のサイトを見て、自分がコンテンツを作った場合に何番目くらいに良質なコンテンツになりそうかを確認します。
ビックワード、ミドルワードであれば1ページ目以下でも流入がありますが、テールワードになると検索結果1ページ目、できれば1〜3位に表示しなければ殆ど流入を得ることができませんので、考慮しておきましょう。
4-2-4. 制作難易度
SEOでは、競合サイトを上回る良質なコンテンツが無ければ上位表示することは困難です。良質なコンテンツを作るには、そのコンテンツのテーマに関して深い知見が無ければ難しいでしょう。
もし知識がないのであれば、学習コストがプラスで発生してきますし、多少の知識を身につけたところでコンテンツが作れそうになければ、そもそも選定しても意味がなくなってしまいます。
自分がそのテーマに詳しく、すぐに作れるコンテンツほど作成難易度は下がるため、プラス評価になります。作成難易度についても3段階ほどの数字でキーワードリストへ記入していきましょう。
優先順位付けのリサーチ項目をリストへまとめた例は以下になります。
4-3. 優先順位を決める
SEOキーワードの選定で必要なリサーチができたら、その結果を元に優先度を加えていきましょう。
優先度は以下の2つの軸を用意しておくと、すぐに取りかかるべきワードと、将来行っていくワードを把握することができます。
- ROIが高そうなSEOキーワード(今すぐ取り組みたいワード)
- 自サイトにとって重要なSEOキーワード(将来取り組むべきワード)
「ROIが高そうなSEOキーワード」は、検索回数、競合度、欲求度、コンテンツ作成難易度を総合したときに、最も成果の上がりそうなキーワードを指します。
「自サイトにとって重要なSEOキーワード」は、リサーチの4項目の難易度に関わらず、将来的にはSEMの側面から行っておくべきキーワードを指します。
優先度をリストに加えたら、SEOキーワード選定の完了です。
早速、検索ユーザー向けのコンテンツを作っていきましょう。
終わりに
キーワードの選定をきちんと行えば、検索エンジンからの集客を大幅に伸ばす事も可能です。
今回ご紹介した一連のステップは骨の折れる作業ですが、手順の一部分や、特定のキーワード・カテゴリーだけに限定して行っても効果は得られます。
キーワード選びを行う際に参考にして頂けますと幸いです。