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記事更新日:2017年03月20日

キャリアコンサルタントの資格を検討する、全ての人が知っておきたい情報をまとめました。
キャリアコンサルタントの国家資格、仕事・職業について幅広く解説しています。
これからキャリアコンサルタントを目指す方、転職に有利になるために資格取得をされたい方など、ぜひ参考にしてみてください。

1. キャリアコンサルタント資格とは

キャリアコンサルタント技能士(以下、キャリアコンサルタント)とは、2016年より国家資格として設定された専門資格です。社会で働く個人に対し、適性や職業経験、知識に応じた職業設計を行なうこと、また職業設計に即した能力開発を効率的に行なうことのできる専門家であり専門職です。

従業員、労働者の職業選択、キャリアプランに対して、適切な助言と指導、能力開発の相談に応じることができる人材の育成を目的に創設されました。

まずはキャリアコンサルタント資格が国家資格となるほど注目される背景、資格取得の方法についてみていきましょう。

1-1. 時代が求める専門家、キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントが国家資格となったことには、日本経済と企業を取り巻く環境の変化が理由にあります。2020年以降急激に減少する労働人口の問題を抱えながら、増え続ける高齢者を保護し、すべての国民が豊かに暮らすためにも、持続的な経済成長が不可欠です。

そのためには、働き手が自身のキャリアについて主体的に考える習慣と環境を整備することが重要であると、衆議院厚生労働委員会が位置づけました。労働者の意識変革のためにも、定期的なキャリアコンサルティングの機会提供が必要と考え、国家資格に認定し、専門家の育成を積極的に実行することになったのです。

法改正と国家資格の設定により、キャリアコンサルタントという名称を独占資格に定めました。企業内におけるキャリアコンサルタントの活躍の場を広げていこうとする、国家の動きの表れともいえるでしょう。

1-2. キャリアコンサルタント資格取得の方法

キャリアコンサルタントを目指すためには、国家試験であるキャリアコンサルタント試験に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録することが必須です。

資格にはキャリアコンサルタント1級とキャリアコンサルタント2級の区別があり、1級のほうがより上位の資格となっています。

1-2-1. キャリアコンサルタントの受験資格

キャリアコンサルタント試験を受験するためには、以下いずれかの要件を満たす必要があります。

・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者(講習カリキュラムは別表に記載)
・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験(5を参照)を有する者
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
・上記の項目と同等以上の能力を有する者

引用元:厚生労働省「キャリアコンサルタント試験について(1)キャリアコンサルタント試験の受験資格」より

1-2-2. キャリアコンサルタント試験の受験科目

キャリアコンサルタント試験の受験科目は以下のようになっています。

・職業能力開発促進法その他関係法令に関する科目
・キャリアコンサルティングの理論に関する科目
・キャリアコンサルティングの実務に関する科目
・キャリアコンサルティングの社会的意義に関する科目
・キャリアコンサルタントの倫理と行動に関する科目

引用元:厚生労働省「キャリアコンサルタント試験について(2)試験科目」より

1-2-3. キャリアコンサルタント試験の実施者

キャリアコンサルタント試験を実施するのは、以下のように定められています。

キャリアコンサルタント試験は、厚生労働大臣が登録した次の登録試験機関が行います(平成28年4月1日現在2機関)。

特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会
特定非営利活動法人日本キャリア開発協会

引用元:厚生労働省「キャリアコンサルタント試験について(3)試験実施機関」より

1-2-4. キャリアコンサルタント試験の受験料と試験日程

キャリアコンサルタント試験の受験料は以下のようになっています。

学科試験 8,900円
実技試験 29,900円
※両機関共通

引用元:厚生労働省「キャリアコンサルタント試験について(5)料金」より

2016年の試験実施日程は、8月〜2017年2月までの期間で、2つの機関がそれぞれ3回の開催を用意しています。筆記試験と実技試験があるため、各回ともに2日間の試験日であることに注意が必要です。

1-2-5. キャリアコンサルタント試験の合格率

キャリアコンサルタント試験の合格率は、1級・2級、学科・実技それぞれが公表されています。

難易度の高い上位資格であるキャリアコンサルタント1級は、学科試験の合格率が39.00%、実技試験の合格率が8.86%。

キャリアコンサルタント2級の場合は、学科試験の合格率が58.85%、実技試験の合格率が18.98%となっています。

それぞれ学科と実技に分かれていることから想像できるとおり、両方の合格が資格取得の条件です。どちらか片方のみ合格している場合は、次回の受験時に該当する試験の受験が免除されます。

1-2-6. キャリアコンサルタント名簿への登録

無事、試験に合格すると、キャリアコンサルタントと名乗るためにキャリアコンサルタント名簿への登録が必要となります。

登録の方法は、厚生労働大臣の指定を受けた特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会が運営する「キャリアコンサルタント登録センター」に、キャリアコンサルタントの登録申請書を提出します。

その際には試験の合格証(写しで可)などの書類を提出する必要があります。登録自体はWebのマイページからも可能ですので、合格時に確認するようにしましょう。

またキャリアコンサルタント名簿への登録に際して、諸費用が発生します。

・登録免許税:9,000円
・登録手数料:8,000円

登録免許税は、キャリアコンサルタント登録申請書の所定欄に収入印紙を貼付します。登録手数料は、郵送で申請する場合は払込票によるコンビニ支払い、Web申請の場合はコンビニ決済もしくはクレジットカード決済が洗濯できます。

すべての手続が完了すると、指定した住所宛に登録証が郵送され、晴れてキャリアコンサルタントであることの証明ができるようになるのです。

1-3. CDAとGCDFの違いは?

キャリアコンサルタント試験の受験資格にある、厚生労働省が認定する講習を実施する団体は、13あります。なかでも有名なのが厚生労働大臣が登録した2つの登録試験機関です。それぞれの特徴と違いがどうなっているのかをみてみましょう。

1-3-1. JCDA(日本キャリア開発協会)のキャリアコンサルタント

日本マンパワー社が母体となっているのがJCDA(日本キャリア協会 ※以下CDA)です。正式名称を「キャリア・デベロップメント・アドバイザー(Career Development Adviser)」と呼び、2016年8月時点で15,100名のCDA資格取得者が存在します。

キャリアコンサルタントやキャリアカウンセラーと名乗る人もいますが、CDA(キャリ・デベロップ・アドバイザー)という資格名称で活動する人が多いことも特徴です。

1-3-2. GCDF(キャリアカウンセリング協会)のキャリアコンサルタント

リクルート社が母体となっているのが、GCDF(キャリアカウンセリング協会)です。正式名称を「GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム」と呼びます。JCDAと比較すると、資格取得者数が少ないというのが違いのひとつ。

米国発祥のトレーニングが、2001年より日本に持ち込まれました。キャリアコンサルティングに必要となる幅広い知識と実践的なスキルを身につけるカリキュラムが用意されています。

1-3-3. CDAとGCDF、取得難易度はどう違うか

キャリアコンサルタントとしての活動が可能になること自体に、2つの団体に違いはありません。資格取得者数が圧倒的に多く、知名度が高いのはCDAといえるでしょう。

それぞれカリキュラムを受講する費用は以下のようになっています。

CDA:300,000円(税別)

GCDF:350,000円(税別)

CDAにおいては通信制の受講が可能となっており、多忙な社会人にとっては継続しやすいと考えることもできます。また資格は更新性となっていますが、5年毎の更新と期間が長いことも特徴です。

対してGCDFは12日間(96時間の通学と34時間の自宅学習)が義務付けられており、かつ3年間で45時間の継続学習が必須。資格取得と維持のための難易度は、GCDFのほうが高いと考えることもできます。資格更新の期間についても、CDAの5年毎に対してGCDFは3年毎と短いことも特徴です。

1-3-4. 受講者の声

あくまで参考程度ですが、CDAとGCDF両カリキュラムを検討した資格保持者の声を紹介します。

【30代女性/HR分野の上場企業/人事部門所属(経験8年)/2015年受講】
CDAのカリキュラム受講者が、人事部門以外でも多数いたため、自分も挑戦してみることにしました。

いくつかの講習団体があったのですが、迷ったのはGCDFとCDAのふたつ。違いを知るために説明会に参加し、GCDFの講座を受けることに決めました。

決め手となったのは、資格取得者が少ないことによる希少性と、カリキュラム内容がより実践的だったからです。資格を取得して実務で活かす場面を想定すると、個々人のキャリアプランの悩みや助言を行なう機会が多いと判断できたため、座学中心よりも実技をたくさん受講できるGCDFに価値を感じました。

土曜日を中心に3ヶ月ほど、継続して通わなくてはいけなかったのは少し大変です。しかし継続的に学習したおかげで、無事に1回の試験で筆記も実技も合格することができました。

2. キャリアコンサルタントの仕事・転職

国家資格であるキャリアコンサルタントを取得すると、その使い道や職種、活躍の場はどのように広がっているのでしょうか。人のキャリア=人事部門の仕事と考えがちですが、実は資格取得者自身にも多岐にわたるキャリアが拓けてくるのです。キャリアコンサルタントの仕事として、その職場や仕事内容についてご紹介します。

2-1. 企業内の人事部門で資格を活かす

確実に活かせる職場として、やはり企業内および組織内での人事部門があります。人事の仕事は採用のみならず、入社者の活躍や定着の支援が主な役割です。

こと個人のキャリアと向き合う場合には、社内や組織内における人員ニーズと照らし合わせながら、相談者の能力開発に対する助言を行なうことができます。

企業によっては専門のキャリアカウンセリング部門を設置し、社員の教育や能力開発を任せるケースもあります。採用担当や研修担当などの実務最前線の役割だけではなく、より上位レイヤーにおける人事業務に関わることができるでしょう。

組織内の人事業務だけではなく、より個人に寄り添ったキャリア支援を行なうことも可能なポジションです。

2-2. 人材派遣会社/人材紹介会社で資格を活かす

景気回復局面が訪れると、人材ビジネスが活況になります。大手人材会社を母体とする派遣会社や紹介会社をはじめ、それぞれからスピンアウトした人材が特化型の紹介会社を経営する場合も多く、コーディネーターやキャリアコンサルタント職のニーズが高まる傾向に。

派遣登録者や転職希望者は、自身のキャリアについて迷い、悩み、もしくは明確な意志を持って相談にきます。彼ら・彼女たちのキャリアと向き合って、最適な職場を紹介することが求められる職種です。

なかには自身のキャリアが定まっていないケースも多く見受けられるため、正にキャリアコンサルタントとしての知識と経験が活かせるでしょう。

2-3. 公的就業支援機関で資格を活かす

キャリアコンサルタントが求められているのは、先に上げた民間企業ばかりではありません。公的就業支援機関(ハローワークなど)においても、キャリアコンサルタント資格保持者の知識と経験が求められています。

求職者の仕事探しを支援すること、自己分析やキャリアの考え方にまでアドバイスできる仕事です。また対面でのキャリア支援だけではなく、公的機関が実施する就業セミナーの実施や講師として、大勢の求職者と個人のキャリアに関われる魅力もあります

2-4. 教育機関で資格を活かす

民間企業、公的機関とは別に、大学のキャリアセンターといった教育機関においても、キャリアコンサルタントのニーズは高まっています。大学という特性上、転職希望者よりも新規学卒者=新卒入社で就職を目指す学生へのキャリアアドバイスが中心です。

学生の自己分析や進路相談、企業研究や就活術、履歴書の添削や模擬面接など、キャリアコンサルタントの知見を発揮する機会が多くあります。大学によっては独自のキャリア教育を実施している場合もあり、その企画立案や実施に携わるチャンスもあるでしょう。

2-5. 独立・起業したキャリアコンサルタントとして資格を活かす

企業や公的機関、教育機関に所属するのではなく、独立・起業してキャリアコンサルティングを事業とする選択もあります。

先述した人材紹介会社を立ち上げるケースもありますが、よりキャリアコンサルタントとしてのスキルを活かすのであれば、企業から委託を受けて、取引先となる企業内でキャリアコンサルティングを実施することも可能です。

専任のキャリアコンサルタントがいない企業や団体、もしくは従業員数に対してキャリアコンサルタントの人数が充足していない企業や団体は、社外の専門家として資格保持者を求めています。

独立した場合であれば、復数企業内のキャリアコンサルタントとして働きながら、大学などでのキャリア教育指導や講演会を並行して行なうことも可能です。

3. キャリアコンサルタントの年収はいくら?

キャリアコンサルタント資格取得をすると、幅広い活躍のステージがあることがわかりました。では、給与・年収はどのくらいになるのでしょうか。

3-1. キャリアコンサルタントの年収は300万円〜400万円?

ひとつのデータとして、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが厚生労働省の委託を受けて発表した「キャリア・コンサルティングに関する実態調査結果」があります。

同調査によると、直近1年間の収入が「300万円〜400万円未満」という解答が18.5%と最多。「200万円〜300万円未満」が15.8%、「1,000万円以上」は8.0%でした。

ただし、調査の発表は平成23年3月となっており、国家資格と認定される以前のデータであることに注意が必要です。

3-2. 職場によって異なる、キャリアコンサルタントの給与・年収

先述した調査結果は、現状および今後のキャリアコンサルタントがもらえる給与・年収とは乖離があるように思われます。

その理由として、ひとつは国家資格に認定されたことで、誰もが手がけられる仕事ではなくなること。もうひとつに、先に紹介したい調査当時は、キャリアコンサルティング業務にあたる人の雇用形態が正社員ではないケースが多かったことが挙げられます。

契約社員や派遣、パートの雇用形態でキャリアコンサルティング業務を手がけていた人が多いことで、年収のボリュームゾーンが低くなっていたと考えられるのです。

では実際のところキャリアコンサルタントの年収はどうなるのかというと、働く企業と役職によって異なるというのが正直なところ。活躍のステージを独立開業に見出した場合はさらに変化しますが、基本的には企業との契約によって変わってきます。

逆に考えると、正規雇用でキャリアコンサルタントの任に就く場合は、調査結果とはまったく異なる給与を手にできる可能性が高いのです。

企業内の人事部において、キャリアコンサルタント資格を有して働くのであれば、通常の給与テーブルに乗って算出されます。なかには資格手当てを支給する企業もありますので、その場合はほかの人事部で働く無資格者と比較したら高額になるケースもあるでしょう。

一般的に給与とは、企業の規模や業績と比例する傾向があります。例えば中小企業であれば、年収400万円〜600万円が平均となり、大手企業や外資系企業であれば、年収800万円以上が平均になることも。

さらに今後、キャリアコンサルタントニーズが高まると推測できるため、就職・転職市場での価値が高まる=給与額が上昇することも考えられます。

結論としてキャリアコンサルタントの年収は、通常の企業内にある給与テーブルで算出されること、ニーズが高い人材になることで年収相場の上昇が期待できるということになります。

まとめ

キャリアコンサルタント資格を取る方法と、取得後のキャリアの広がりについて紹介してきました。

おさらいとして注目すべきポイントは、2016年に国家資格へ認定された新しい資格であること、国が個人のキャリア形成を重視していること、企業ニーズの高い資格であることが挙げられます。

現状ではとりわけ年収が高い仕事とはいえませんが、今後の上昇に期待が持てるのは間違いありません。資格取得のために講習へ通う必要があり、合格率の高くない試験ですので、難易度は低くないといえます。

それでも、キャリアコンサルタントの道、もしくはキャリアコンサルティング業務を手がけたいのであれば必須の資格。人のキャリアに関わる仕事に就く可能性が広がります。

将来性と汎用性の高さからも、挑戦する価値のある資格です。

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記事更新日:2017年03月20日

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