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記事更新日:2017年03月20日

キャリアコンサルタントは平成28年に国家資格になりました。まだよくご存知ない方も多いですよね。

厚生労働省が認可する国家資格キャリアコンサルタントは、老若男女のライフキャリアプランのカウンセリングやコンサルティングを行う仕事です。
この記事ではキャリアコンサルタントの仕事内容や資格取得のための方法、取得のメリットなどをご紹介します!

1. キャリアコンサルタントとは?

1-1. キャリアコンサルティングの専門家です

キャリアコンサルタントは、職業の選択や職業能力開発など、キャリアライフプランに関する相談・支援を行う専門家です。

昔のように企業に入れば定年まで安泰という状況ではない現代の労働者が、自分らしい職業生活を送れるように支援する、それがキャリアコンサルタントの使命です。

「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングを行う専門家です。
「キャリアコンサルタント」は、平成28年4月より国家資格になりました。キャリアコンサルタントは登録制(5年の更新)の名称独占資格とされ、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課されています。これにより、職業に関する相談を今まで以上に安心してできるようになりました。
引用:厚生労働省「キャリアコンサルティング

キャリアコンサルタントは厚生労働省が認定した国家資格です。

※キャリアコンサルタント資格認定団体
・特定非営利活動法人日本キャリア開発協会
・特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会

1-1-1. キャリアコンサルタントは平成28年より国家資格に

キャリアコンサルタントは平成28年4月から国家資格に認定されました。これにより、キャリアコンサルタントになるには、労働者のキャリア形成の支援を行うための知識とカウンセリングテクニックを学び、国家資格に合格することが必須となりました。

また以前は民間資格だったためキャリアカウンセラーという呼称も使われていましたが、国家資格認定後、「キャリアコンサルタント」は登録制の名称独占資格となりました。

「キャリアコンサルタント」名称独占について
 職業能力開発促進法に規定されたキャリアコンサルタントでない方は、「キャリアコンサルタント」又はこれに紛らわしい名称(※1)(※2)を用いることができません。これに違反した者は、 30 万円以下の罰金に処せられます。
(※1) 紛らわしい名称としては、「キャリア・コンサルタント」、「キャリアコンサルタント○○(キャリアコンサルタント専門士等)」、「○○キャリコン(標準キャリコン等)」、「キャリアコンサル」等があげられます。
(※2) いわゆる標準レベルのキャリア・コンサルタントであった方についても、キャリアコンサルタント名簿に登録しなければ、「キャリアコンサルタント」と名乗ることができませんのでご留意ください。
引用:厚生労働省「キャリアコンサルタント」について

1-1-2. キャリアコンサルタントと転職コンサルタントは職務内容に異なる部分がある

国家資格のキャリアコンサルタントと人材サービス業界の転職コンサルタントを同じ職業だと捉えている方が多くいますが、職務内容には異なる部分があります。

インターネットで「キャリアコンサルタント」と検索しても、転職コンサルタントと混ざって表示されてしまうので、誤解されやすいのです。キャリアコンサルタントと転職コンサルタントの違いをご説明します。

人材サービス業界で働く転職コンサルタントの主な職務は、転職を希望する労働者への転職先紹介や斡旋、転職に関する相談などになります。

国家資格キャリアコンサルタント職務の場合は、転職に関する相談は行いますが、転職先の紹介・斡旋などは行いません。転職希望者には転職先をさがす手段やノウハウの提供を行い、転職希望者自身が自分で転職先を探せるようサポートやアドバイスをするのです。

手段やノウハウとは、例えば「地方での就職を希望するなら現地に行って探さなくてもハローワークのインターネットサービスで検索して探せる」ことを伝える、「日本労働研究機構(JIL)の職業ハンドブックで職業理解を深めることができる」という方法を教えるなどとなります。

ただし国家資格キャリアコンサルタントの有資格者が人材サービス会社の転職コンサルタントとして職務にあたるときは、属する企業の方針に倣って転職先を紹介することもあるでしょう。

キャリアコンサルタントの国家資格は転職コンサルタントの求人でも歓迎要件となっていることが多いので、転職コンサルタントにもキャリアコンサルタント有資格者は大勢いるのです。

つまり、有資格者でも、勤め先で「キャリアコンサルタントとして職務に就くか、転職コンサルタントとして職務に就くか」により、職務内容が少々異なるということになります。

1-1-3. キャリアコンサルタントの種類、人数

キャリアコンサルタント資格には、標準、2級、1級があります。
このうち、いちばん難しいのが現在全国に200人程度しかいないと言われる1級です。

厚生労働省は高齢化社会における労働力育成を視野に入れ、2024年にキャリアコンサルタントを10万人に増やす計画を立てています。しかし現在キャリアコンサルタントの数は5万人程度。まだまだ不足しています。

キャリアコンサルタント養成計画について(厚生労働省)

1-2. キャリアコンサルタントをめざす人はどんな人?

キャリアコンサルタントをめざす人は30代以降が多く、平均年齢は高めです。キャリアコンサルタントは高齢になっても働ける職業なので、定年後に資格取得を目指す人も多いです。男女比としては女性がやや多いようです。

また、最近では厚生労働省が平成27年に創設した「企業内人材育成推進助成金」をもらうため、勤務先から促されてキャリアコンサルタント資格取得をめざす人事職の社員や社会保険労務士なども増えています。

企業内人材育成推進助成金

2. キャリアコンサルタントの国家資格取得について

2-1. 標準キャリアコンサルタント国家資格取得をめざすなら

標準キャリアコンサルタント国家資格取得のためには、まず受験資格を取ります。キャリアコンサルタント経験が全くない!という方は、通信教育やスクールで講習を受けてから受験になります。受験資格は下記のとおりです。

【標準キャリアコンサルタント国家資格の受験資格】

  1. キャリアコンサルタントの経験が無い場合は、厚生労働省が認定した講習の全過程を修了する(講習時間は140時間ほど)
  2. キャリアコンサルタント業務を3年以上経験している
  3. 技能検定キャリアコンサルティング(キャリアコンサルタント2級、1級)の試験にすでに合格している181
  4. 上記の項目と同等以上の能力を有する

2-2. キャリアコンサルタント資格取得受験について

それでは、これからキャリアコンサルタントをめざす方のために、標準キャリアコンサルタントの受験について詳しくご紹介します。

2-2-1. 標準キャリアコンサルタント受験項目内容

標準キャリアコンサルタントの受験項目は①学科②実技です。

学科と論述は筆記試験で、同日の午前と午後に行われます。ロープレは試験官2人の前で行う実技試験で、実際の相談事例を設定して15分間のロープレと5分程度の口頭試問、計20分ほどで試験が行われます。

相談者の役は、すでに合格している現役のキャリアコンサルタントが行うことが多いです。

2-2-2. 標準キャリアコンサルタント受験を実施するのは2団体

標準キャリアコンサルタントの受験を実施しているのは、厚生労働省が認定している2つの団体だけです。

◆特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会
◆特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)

そして、この2団体に対し、受験資格を得られる講習を行う教育機関があります(開発協会2校、協議会9校)。下記リンクの表にある「実施期間名称」が、その教育機関です。

厚生労働大臣が認定する講習(平成28年5月1日現在)

2-2-3. キャリアコンサルタントの勉強とは?

キャリアコンサルタントの勉強は、驚くほど幅広いものです。

労働と人生という重大なテーマを生業とするため、経済・社会環境および雇用・組織に関する知識、労働市場、雇用、人事労務と法律、学校教育制度、起業・創業、メンタルヘルス、カウンセリング理論、キャリア理論、コーチングなど、多岐にわたる知識を修得していきます。

もともと法律に詳しい社労士や行政書士、カウンセリング知識がある心理学科出身の人、人事職の人などは有利です。

2-2-4. キャリアコンサルタント受験(実施、受験費用)

標準キャリアコンサルタントの試験は年4回実施されます。受験費用は、学科試験が8,900円、実技試験が 29,900円です(2016年度)。合計で約4万円かかるので、ぜひ1回で合格したいところですね。ちなみに学科だけ受けることもできます。

2-2-5. 難易度、合格率

標準キャリアコンサルタント国家資格は2016年4月に始まったばかりなので、第1回目試験の合格率しか公開されていませんが、2つの団体で大きな差があります。学科・実技の同時合格者率は20%以上も違うのです。

このような差がなぜ起きるかというと、実技のロープレ審査基準と、論述の問題内容が違うからです。

業界関係者の中では、国家資格で団体ごとに出題が違う点が問題視されていますが、実際に2016年度に実施された第1回目、2回目の標準キャリアコンサルタント国家資格試験では2つの団体で実技試験の内容が異なっていました。

この違いは、今後の大きな課題といえるでしょう。

【第1回標準キャリアコンサルタント試験 合格率】

  日本キャリア開発協会 キャリアコンサルティング協議会
学科 74.2% 81.0%
実技 51.5% 71.6%
学科、実技試験同時合格 37.2% 59.1%

第1回キャリアコンサルタント試験 試験結果より
平成28年度 第1回 キャリアコンサルタント試験 試験結果より

3. キャリアコンサルタントの仕事

キャリアコンサルタントの就職先は多彩です。まず思い浮かぶのはハローワークで就職相談の窓口に座っている相談員です。あの相談員はほとんどがキャリアコンサルタントの有資格者です。

(中には資格のない相談員もいますが、現在ハローワークもキャリアコンサルタント2級取得者の相談員を増やそうと熱心に動いています)

それでは実際にキャリアコンサルタントとして働くとき、どんな仕事内容になるか、働く場所と業務内容を具体的にご紹介します。

3-1. キャリアコンサルタントの仕事内容

3-1-1. 仕事内容①ハローワーク、公共職業能力開発施設など需給関係関連

ハローワーク、公共職業能力開発施設、ジョブカフェなどの需給関係関連機関はキャリアコンサルタントがおおいに活躍できる場です。

ハローワークでの仕事内容は就職や転職を希望する労働者の支援で、ひとりひとりの細かい相談に乗り、職業訓練の紹介など個人に合わせたキャリアコンサルティングをしていきます。ジョブカフェではニートやフリーターを含む若者の自立、就職活動などの支援を担います。

3-1-2. 仕事内容②人材関連企業、一般企業

人材関連企業で就職・転職コンサルタントとして働くキャリアコンサルタントも大勢います。キャリアコンサルタントの職務は多岐にわたりますが、その中で転職などに特化するキャリアコンサルタントも多く存在しているのです。

人材関連企業では求職者と求人先の企業とのマッチングやキャリアカウンセリングがメインの仕事になります。

一般企業内でも、キャリアコンサルタントを抱える会社が増えています。

企業内キャリアコンサルタントとして勤務する場合は、社員から職務~メンタルヘルス関連の相談を受けて支援する、社員のキャリア形成・自己啓発に役立つ社内外のセミナーを開催するなどの業務を行い、企業と社員の架け橋的な役目を担います。

3-1-3. 仕事内容③学校(中学高校、大学)、教育関連機関

現在は中学・高校・大学でもキャリア形成支援が重要視されるようになりました。そこで活躍するのがキャリアコンサルタントです。

大学ではキャリアセンターでの就活相談や、就職セミナーの企画・実施などを行います。中学校や高校では進路セミナーで働く意義について指導する、アセスメントを用いて職業適性や職業興味を計るなどして、生涯続く職業生活の基盤作りを支援します。

3-1-4. 仕事内容④フリーランス、起業

キャリアコンサルタントはフリーランスでも活動できます。フリーランスで働く場合はキャリアコンサルタントスクールの講師、各種セミナーのファシリテーター、個人のキャリアコンサルティングと支援などの仕事をしている人が多いようです。

キャリアコンサルタントとして起業する場合は、就職相談、セミナー運営、職務経歴書作成指導などをする会社や個人事務所、キャリアコンサルタント資格取得をめざす人の受験や勉強を指導する組織を立ち上げるケースが一般的です。

4. キャリアコンサルタントのやりがいとは

キャリアコンサルタントは資格を取って初めて名乗れる士業です。たくさん勉強して資格を取り、晴れてキャリアコンサルタントになったあと、どんなところにやりがいを感じられるのかご紹介します。

4-1. キャリアコンサルタントのメリット、デメリット

4-1-1. メリット①定年後も働ける

キャリアコンサルタントの仕事には定年がありません。企業に勤めるキャリアコンサルタントには企業の定年はありますが、キャリアコンサルタント資格は何歳になっても有用です。だから定年後にキャリアコンサルタント資格取得にチャレンジする人が多いのです。

例えば、70代でもハローワークなど有資格者を求める職場で働くことができます。個人のキャリアコンサルタントでは80代の方もいるそうです。

60歳や65歳になってもまだまだ働きたい、そんな気持ちに応えるのがキャリアコンサルタント資格だといえます。

4-1-2. メリット②他のビジネス関連資格と合わせて活躍フィールドが広がる

平成28年にキャリアコンサルタントが国家資格になったため、社労士や行政書士などビジネス関連の有資格者で、キャリアコンサルタント資格を志す人が増えています。

他のビジネス系資格に加えてキャリアコンサルタント資格を持てば、多彩な企業の人事労働実務の受注や、労働に関する幅広い相談・支援が可能になります。

ビジネス士業を生業とする人が活躍するフィールドを大きく広げられる、これもキャリアコンサルタント資格のメリットです。

4-1-3. メリット③人のライフキャリアを支える、国家に期待される仕事

キャリアコンサルタントの仕事は「個人がいきいきと自分らしく生きることを支援する仕事」です。キャリアコンサルタントは、就職、家族、マネープランなど幅広い相談ができるライフキャリアのカウンセラーでありコンサルタントです。

たいていの人は、生きていくうえで、生活や職に関して困ったことや悩みを感じています。この支援を行えるのがキャリアコンサルタントなので、相談者から信頼され深く感謝されます。

そして、このような個人の職業生活問題の解消は、労働社会問題の解消につながります。

つまりキャリアコンサルティングは高齢化社会である日本の労働経済を支える仕事なのです。手ごたえ、やりがいは十分にあります。キャリアコンサルタントの仕事には、人間愛や社会奉仕にもつながる誇りや満足感があるのです。

4-1-4. デメリット 日本での知名度が低く、収入アップにつながりにくい

最後にキャリアコンサルタントのデメリットをあげておきます。それは、まだ収入面がかんばしくないことです。

現在、キャリアコンサルタント資格があっても、キャリアコンサルタントだけで暮らしていける人はほとんどいません。1級の有資格者でも同じです。

キャリアコンサルタントは国家資格になったばかり、国が本腰を入れ始めたばかりの職業です。キャリアコンサルタントの本場アメリカに比べて、日本のキャリアコンサルタントは知名度も地位も低いのです。

がんばって資格を取り、キャリアコンサルタントとして働きたくても、よい企業に属さないと年収が低い…これがキャリアコンサルタントの最も重要な課題かもしれません。

しかし厚生労働省もキャリアコンサルタント養成に力を入れています。やがてこの現状が改善され、社会ニーズの高いキャリアコンサルタントがもっと活躍できる時代が訪れることでしょう。

まとめ.キャリアコンサルタントはこれからが有望な国家資格

この記事ではキャリアコンサルタントについて詳しくご紹介しました。

キャリアコンサルタントはこれから大きく花開く国家資格です。若年層から高齢者までわけへだてなく「よりよく働き生きること」について支援を行う仕事内容は、実にやりがいのあるものです。

興味のあるかたはぜひ国家資格取得をめざし、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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記事更新日:2017年03月20日

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